友情砲

 季節の変わり目ですね。この時期はおかしい人が活発に行動しだすわけですが、そのおかしい人が某国の軍隊にもいたようで、マルぼんたちの町へ向けて核ミサイルが発射されました。というわけで着弾数分前。



「マルぼん、核ミサイルを迎撃できる機密道具だしてー!」とヒロシ。



マルぼんは「なんかないかーなんかないかー」と思案し、ある機密道具を思い出しました。



『友情75mmキャノン』。



 このキャノン砲を装備した人が友人たちと円陣を組むと、一同の友情パワーがキャノン砲に集結して破壊力に変換されるのです。友情が厚ければ厚いほど、破壊力もアップします。



 マルぼんがこの世界に来て約1年。ヒロシは多くの事件を経て、多くの死を乗り越えて、その中でナウマン象や金歯、ルナちゃんや大脳、ボラシニコフ大尉、他の様々な人々と友情を育んできたハズです。その友情は、おそらく無敵ともいえる破壊力になるハズ、



 マルぼんの話を聞き、「みんなを呼び出すぞ!」と部屋を飛び出すヒロシ。



「やれやれなんとか間に合いそうだ」とマルぼんが思っていると、ヒロシがすぐに戻ってきました。



ヒロシ「よく考えたら僕、誰の電話番号も教えてもらってないや。『教えて』って頼んでも『また今度』とか『うちは電話ないんだ』とか断られて」



 というわけで、マルぼんたちの町は核の炎に包まれたのでした。

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