連載再現版大沼ヒロシ

ヒロシ「ううむぅ」



マルぼん「どうしたの、ため息なんてついて」



ヒロシ「いや、今ね、大好きな漫画『恋する墓地~涅槃という名の恋の河~』を読んでいるんだけど、雑誌掲載時にカラーだったところが、白黒のままなのが残念無念で口惜しくて」



マルぼん「そういうときは、これ! 『カラーサングラス』。これをつけてもう一度読んでみて」



ヒロシ「どれどれ……わぁ、あの時のカラーが鮮やかによみがえったよ! それだけじゃない、本来白黒だったところもカラーで見えるー!!」



マルぼん「どんなものでも色つきで見えてしまうのさ、『カラーサングラス』をつけると」



ヒロシ「やっほーい! これさえあれば、あの漫画もこの漫画も必要以上に堪能できるぞ! やっほーい!」



近所の人「また騒いでいるわ、大沼さんのところの息子さん」



近所の人B「あの子って、なんか異臭のする気味の悪い生き物と同棲しているのよね。やっぱり、どこかおかしいんじゃないかしら」



近所の人「やっぱり、異臭のする気味の悪い生き物をかこっている人なんて、生きる価値のないろくでなしなのよ」



近所の人B「そうね。ということは、大沼さんのところの息子さんもろくでなしにちがいないわ」








ヒロシ「なんか最近、近所の人の視線が冷たいなぁ」


 マルぼんは、近所の人の『眼鏡』にまで『色』をつけてしまった『カラーサングラス』の効果は絶大だと思いました。

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