がんばって、いついつまでもがんばって

 微笑町小学校の野球チームの試合を応援しに来たヒロシ。



ヒロシ(寝転んで鼻をほじりながら)「あーつまんねー。応援しがいのない試合」



マルぼん「でもほら、監督のナウマン象が応援しないキサマを睨みつけているよ。あとで酷いことになるかも」



ヒロシ「ど、どうしよう。どうがんばっても、とてもじゃないけど、応援する情熱がもてないんだ」



マルぼん「この霧吹きに入っている液体を、手につけてみなよ」



ヒロシ「つけたよ。なんかくさいね、この液体」



マルぼん「その手をギュっと握る」



ヒロシ「握ったよ」



マルぼん「そいつは、みらいの世界のフーリガン1200人の汗を集めて作った液体。そいつを手につけて、その手をギュッと握れば、どんなおもしろくない試合でも、心を込めて応援してしまうようになる」



ヒロシ「くさいけど、すごい機密道具だね」



未来百貨店店員「ああ、遅かった!」



マルぼん「どうしたんですか」



未来百貨店店員「実は、この前お売りした例の『汗』なんですけど、不良品でして、こいつをつけた手は、半日後に壊死してしまうのです」



ヒロシ「ええ!?」



未来百貨店店員「現在、ワクチンを鋭意製作中なんですが、半日後に完成するかしないかという状態でして」



ヒロシ「ちょ、がんばって、がんばって早くワクチンを完成させるように言ってくださいよ!」



未来世界百貨店店員「こちらのモニターでワクチン開発の様子を見ることができます」



ヒロシ「がんばって! お願いだからがんばって!」



 ワクチンを開発している人々が映っているモニターに向かって、必死で応援するヒロシ。

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