騎士道大原則ひとつ!

 ヒロシがなんか紙を見つめてよだれをたらしています。紙には『ルナちゃん』と書かれていました。



ヒロシ「ルナちゃんはぁはぁ。ルナちゃんはぁはぁ」



マルぼん「なんで『ルナちゃん』という字だけで、そこまで発情できるの? それが萌えるってやつなの?」



ヒロシ「ぼ、ぼくは…ぼくはねえ、ルナちゃんを守るためなら…なんだってできるんだぁ。へ、へへ…ぼくはねえ、ナイトなんだぁ」



マルぼん「心底軽蔑するけれど、好きな相手を守りたいという志は買おう。よし、これを身に付けたまえ。『騎士道メダル』」



『騎士道メダル』を身に付けるとその人の脳が、守りたい人の脳とリンクします。



 守りたい人が不快になると、その不快な気分がメダルを装備した人の脳に送り込まれます。メダル装備者は、守りたい人の不快さの原因を取り除くため、体が勝手に動くのです。



ヒロシ「これを装備していたら、僕は大好きなルナちゃんの騎士になることができるのですね! さっそく、ルナちゃんに報告してくる!」





ヒロシ「というわけで、キミは僕がまもる! それじゃ」



ルナちゃん「そう。それじゃあ」



 去っていくヒロシくん。



ルナちゃん「またあのキモ少年が、ロクでもないことをはじめたみたい。最終的には、悲惨な目に遭うんだろうなぁ、いつものパターンからいって。あいつ、どうにかして、いなくならないかしら」




救急隊員「どうしました!」



マルぼん「ヒロシくんが突然、走り出して車道に飛び出してトラックにその身を!」

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