大沼うどん子の幸せにしてよ!
ママさん「男、男、男、男」
最近、生活にラブもなければライクもないママさんは、目を血走らせて、ぶつぶつぶつぶつと呟いておられます。長年の友人が結婚することになり、その式に招待されたことも、精神を病んでいる理由のひとつっぽいです。いいかぼうず、自分の幸せが誰かを不幸にするってこともあるんだぜ!
ママさん「幸せになりたい幸せになりたい幸せになりたい。ぶつぶつぶつ」
マルぼん「それならママさん、今度の結婚式でご友人がもつ何の変哲もないブーケを、この『投げられたのを受け取った人は必ず花嫁になれるブーケ』とこっそり入れ替えればいいのですよこいつは名が示す通り、受け取ったら必ず花嫁になることができるブーケなんで、ママさんがしっかりキャッチすれば」
ママさん「男が手に入るのね! 男が!!」
そんなこんなで結婚式当日。マルぼんは、見事、花嫁のブーケを『投げられたのを受け取った人は必ず花嫁になれるブーケ』に入れ替える事に成功。そして待望のブーケ・トスの時間がやってまいりました!
花嫁「さぁ、いきますよぉ!」
ブーケを投げる花嫁さん。「あたしがとる」と、手を伸ばすママさんですが、いたずらな夏の妖精の仕業か、ブーケは奇妙な方向へ飛んでいき、その先にいたヒロシの手に
ヒロシ「ありゃ?」
ママさん「ジーザス! 思ってもない結末だわ! せっかくのブーケの力も台無しね!」
マルぼん「いや、あのブーケの効果は絶大です。たとえ既婚者であろうが、性別が男であろうが、受け取った人は必ず花嫁になるのです」
ママさん「花嫁って……」
と、そこへナウマン象がやってきました。てくてくとヒロシに近づくナウマン象。
ナウマン象「お、おいヒロシ」
ヒロシ「ん? ナウマン象じゃないか。どうしたの」
ナウマン象「あ、あのよう。俺と、その、一緒にだな……」
ヒロシ「なんだよ?」
ナウマン象「(赤面)その……あの……知らない知らない!」
ヒロシ「手で顔を覆って、走り去ってしまったよ。変なナウマン象」
ママさん「……」
マルぼん「……」
ナウマン象が『惚れ薬』と『同性結婚が認められている国への移住権が認められる機密道具』だせよ」
と、マルぼんを脅しにかかるまで、あと365日。マルぼんが脅しに屈するまで、あと366日。
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