いくつもの魔力抱いて今日を越えていけ!

ヒロシ「死んだら楽かな?」



マルぼん「マルぼん秘蔵の機密道具『来世予測マシン』によると、ヒロシの来世は『未来からやってきた怪生物が自宅に居候したために、ろくな人生を送れない人』に決定済みなんだってさ」



ヒロシ「うへー。ならやめよう。死ぬの」



マルぼん「しかしまた、なんで生きる希望を失ったのさ」



ヒロシ「ンー。なんかね、なにをやっても楽しくないというか、満足できなというか」



マルぼん(これは重症だな…しかたない。機密道具を使うか)



マルぼん「はい『充実缶』~!!」



ヒロシ「缶詰めじゃねえか」



マルぼん「とりあえず、開けてみ」



ヒロシ「う、うん…(ぷしゅ)あ…なんか、なんか心が満たされていく…」



マルぼん「『充実缶』の中身は、人の心を充実させる特殊な気体なんだ。未来の世界ではおもに老人ホームで使用されている。劣悪な環境でも入居者が満足できるように、密かにね」



ヒロシ「ははははは」



マルぼん「これで死にたいとか思わないよね」



ヒロシ「ひひひひひ」



マルぼん「……」



ヒロシ「ふふふふふ。いやーすばらしく充実した人生だったよ。今後これ以上の充実感は得られそうもないし、もう思い残すことはないし、もういいや。じゃあな、マルぼん。また来世。ばいならー」



 ヒロシは、愛用の拳銃の銃口をこめかみに当てて――



 まぁ、人生、少しくらい飢餓感があったほうが、充実感を得ようと頑張れるし、楽しいのかもしれません。マルぼん、ひとつ賢くなった!

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