ヒロシと今孔明

 町のやっかいものが多数在籍していた高校の、弱小ラグビーチームが常勝ラグビーチームへと進化を遂げたそうです。



マルぼん「なんでもラグビーチームの監督になった人がすげえヤツで、光の速さでクズどもを選手として更生させ、スーパーラグビーチームにまで育て上げたみたいだね



ヒロシ「うらやましいなぁ。僕にもすげえ名監督がついて、みんなが羨ましがる超人物に育て上げてくれないかしら」



マルぼん「『ご指定ベル』。このベルを鳴らせば、自分の望む人物が、いつか必ず来てくれる」



ヒロシ「よし。さっそく『ご指定ベル』を鳴らそう。僕をいい感じで導いてくれる人が現れますように」



ちりんちりん…



包丁を持った隣人「うるせー! ぶっころす!」



ヒロシ「きゃー!」



 とっさに包丁を隣人から奪い取るヒロシ。さぁ、反撃だっ。ブスっとな! 以下省略。



 裁判の結果、ヒロシは豚箱行きだけは勘弁していただけることになりました。少年法に感謝。すべての未成年にありがとう。



ヒロシ「まぁ、よしとするかー」



中村「こんにちは」



ヒロシ「あの、どちらさまで」



中村「あなたの保護司をすることになった、中村土門です。

大丈夫。きみは必ず、社会に復帰できる。必ず、だ! 共にがんばろう!」



 今、ヒロシは中村さんの観察の下、朝の公園の掃除なんかをしています。「なぜ人を傷つけてはいけないか」なんてことも学んでいます。いつかどこかで、皆さんとお会いできることもあるでしょう。そのときは、事件のことを伏せてあげてください。お願いします。悪気はなかったんです。本当なんです。信じてください。



 マルぼんは、ヒロシに素敵な監督を遣わしてくれた『ご指定ベル』の効果は絶大だと思いました。




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