なぐってハニー

ヒロシ「ナナナナナナナナナウマン象の野郎と殴り合いをすることになっちまったよう! ヤツは僕がパンチを一発かます間に、こちらに三発のパンチをぶち込んでくるんだ! とてもじゃないけど勝ち目がないよう!」



マルぼん「あちらが一発のパンチをぶち込んでくる間に、こちらが百発のパンチをぶちこめば勝てるわけだ」



ヒロシ「それができたら貴様の存在意義など皆無だよ!」



マルぼん「『連射ハンドクリーム』。このハンドクリームを手に塗れば、その手には『連射効果』がつく」



ヒロシ「連射効果?」



マルぼん「簡単に説明する。このハンドクリームを塗った手で、誰かを一発殴る。殴られた相手は一発しか殴られていないのに、二発殴られたのと同じダメージを受けるんだ。ようするに、このクリームを塗った手は、実際には連射していなくても『連射した効果』だけを発揮できるようになるんだ。しかも、ハンドクリームを塗り重ねることで、効果も重ねられていく。がんばれば、一発のパンチで千発分のパンチのダメージを相手に与えることも可能なの」



ヒロシ「よ、よし。このハンドクリームで、『一発で千発パンチ』を生み出してやるぞ」



 翌日、ヒロシが喜んで帰ってきました。



ヒロシ「やたー! 僕の一発千発パンチでナウマン象のヤツ、再起不能だ!」



マルぼん「おめでとう!」



ヒロシ「この勝利をルナちゃんに捧げよう。さぁ、早速電話だ」



 ルナちゃんに連絡すべく、携帯電話を操作しはじめるヒロシ。



 翌日、ルナちゃんは山奥にある窓のない病室がある白い病院へ入院しました。かなり精神的に疲弊しているとのことです。



 ルナちゃん曰く、「ヒロシの野郎が、一日に千回も同じ内容の電話をしてきたのが原因」とのことですが、通話記録は一度だけだったので、ヒロシは罪に問われませんでした。



 マルぼんは『連射ハンドクリーム』の効果は絶大だと思いました。

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