趣味と実益

マルぼん「毎日毎日、グータラグータラ。漫画かアニメかゲームかネットばかり! すこしは働こうって気はないのかい、このごく潰し!」



ヒロシ「働くもクソも、僕、小学生なんですが。普通に小学生なんですが」



マルぼん「うるさい!」



ヒロシ「趣味が実益になればいいんだろうけど、そう簡単にいかんだろうなぁ」



マルぼん「隣の浜さんとこの三郎くんを見ろ。趣味で撮っている写真が、バカ売れしているそうだぞ。見事、趣味と実益を兼ねている」



ヒロシ「え、三郎さんの写真って、そんなに高値で売れるの?」



マルぼん「ネットとかでしか売れないらしいけど、バカ売れらしい。君もカメラでもはじめたらどうだ」



ヒロシ「しかしなぁ、売れる写真が取れるとはかぎらんし」



マルぼん「『趣味と実液』。この液をかけたものを使うと、必ず儲けになる。これをカメラにたらして、なんか写真を撮ると、たぶん儲かるはずだ」



ヒロシ「やってみようか」



『趣味と実液』をたらしたカメラを持って、マルぼんとヒロシは外へと繰り出しました。



マルぼん「さて、なんか写真を撮れよ」



ヒロシ「うーん。ただ闇雲に撮るのもなぁ」



マルぼん「あ、あそこにママさんがいる。ああ、行っちゃった。なんか急いでいたみたい」



ヒロシ「ママの写真でも撮ってみるか。熟女マニアにうけるかもしれないし」



パシャ



ヒロシ「撮れた撮れた。いるかな、熟女マニア」



マルぼん「ママさん、いま、あそこの『レコア・バラスアテネ』ってマンションから出てきたね。知り合いでもいるのかな」



ニュース『微笑町内のマンション『レコア・パラスアテネ』で男性の死体が発見されました。死体はこの部屋の住人の七市野ゴン太さん。隣人が、ゴン太さんと女性の言い争う声を聞いており、警察ではこの女性がなんらかの事情を知っていると見て、行方を追っています。七市野さんの家族は、事件の早期解決のため、有力情報に300万円の懸賞を……』

 



マルぼんは『趣味と実液』の効果は絶大だと思いました。

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