楽屋オチへのあこがれ
ママさん「この痴れ者め! 痴れ者め!」
ヒロシ「やめてお母様、お母様やめて」
マルぼん「また家庭内トラブルだ。母親にあんなに叩かれる主人公、茶を買ってきたむしろ売りの人(後漢の血筋)くらいしかいねえよ。で、いったいどうしたのさ、ヒロシ」
ヒロシ「言ってはいけないこと(家では木の根っこに砂糖水をつけたやつばかり食べさせられている)を、他人様に話したのがバレて! ああ、僕のバカ。口にジッパーでもあればいいのに! ちくしょ……ぐふっ」
マルぼん、ヒロシのみぞおちをなぐって気絶させました。そして手術。ヒロシの口にジッパーをつけたのです。
マルぼん「ほら、大切なことをしゃべりそうになったとき、そのジッパーをしめたらいいよ」
ヒロシ「本当に口にジッパーをつけるヤツがあるか! ガマ令嬢か、僕は!」
マルぼん「よかれと思って」
ヒロシ「だいたいなんなんだ、このジッパー!」
マルぼん「どこにでもつけることができる『ジャック・ザ・ジッパー』。つけたジッパー開け閉めすることで、色々なものの中身を見ることができたりできなかったり」
ヒロシ「こんな意味のわかんねえものを口につけやがって、同じ思いを味わえ!」
ヒロシは、マルぼんから『ジャック・ザ・ジッパー』を奪うと、あろうことかマルぼんの背中につけてしまいました。
マルぼん「あ、なにをする」
ヒロシ「こいつを使ったら、色々なものの中身が見られるんだよな。見たるで、マルぼんの中身」
マルぼん「いや、やめて」
ヒロシ「へへっ口ではそう言ってても、体は喜んでいるみたいですぜ」
マルぼんの背中につけたジッパーを下ろすヒロシ。
ヒロシ「ああ!?」
女の子「いやだって言ったのに……」
開けたジッパーの中から、パソコンのモニターからそのまま取り出してきたかのような女の子が出てきたのです。
女の子「もう、バカー!」
ヒロシ「ぶぼっ」
ヒロシに平手打ちを食らわせると、「しらない! しらない!」と机の引き出し(タイムマシンとか入ってる)に逃げ込む女の子。
ヒロシ「もしかして、あれがマルぼんの中の人か。あんな中の人なら、まずいぞ、『マルぼんと暮らす』は明日から壮絶な方向転換を強いられることになるぞ。ナウマン象と金歯が消えて、その代わり、学園祭の出し物にメイド喫茶を提案するお調子者の友人(趣味ナンパ。攻略対象になる妹アリ)とかが登場するとか、そういう方向転換! やべっ楽しみ!」
じいさん「もう、バカー!」
開けたジッパーの中から、今度は、老人ホームからそのまま逃げ出してきたかのようなおじいさんが出てきたのです。
ヒロシに平手打ちを食らわせると、「しらない! しらない!」と机の引き出し(タイムマシンとか入ってる)に逃げ込むおじいさん。
武士「もう、バカー!」
開けたジッパーの中から、今度は、『葉隠』からそのまま飛び出してきたかのような武士が出てきたのです。ヒロシに刀で斬りつけると、「しらない! しらない!」と机の引き出し(タイムマシンとか入ってる)に逃げ込むおじいさん。
「もう、バカー!」
その後も、外国人、政府高官、梁山泊108星、少年ライフル魔、ロッテンマイヤーさんとビックマグナム黒岩先生を足して10かけたような人、白いたまごっち欲しさに売春とかしていた女子高生(当時。今は主婦)、その主婦を昔のことをネタにゆする男、ときめき右大臣きらめき左大臣、死神博士、実は薩摩に逃げ延びて生存していた豊臣秀頼、清水健太郎、怪奇ニラ男、「止めるんだ!」と言っても芸を止めないかわいそうな象など、様々な人たちが開いたジッパーから出てきてはヒロシに平手打ちを食らわせると、「しらない! しらない!」と机の引き出し(タイムマシンとか入ってる)に逃げ込んでいきました。
ヒロシ「きゅう。平手打ちも連続でくらうと死ねるな、おい」
マルぼん「ほれ見ろ、人の中身を勝手に見ようとするからだ。」
ヒロシ「わかったよ。悪かったよ」
マルぼん「わかればいいんだ。マルぼんも、勝手にジッパーをつけて悪かった」
ヒロシ「いいよいいよ」
ヒロシ「あれ。オチとかなし? なんか今回は、いつもに増して長いくせにいつもに増しておもしろくないね。ダメダメだ」
マルぼん「ほら、これ。頭に『ジャック・ザ・ジッパー』をつけた作者」
ジッパーを開けて、作者の頭の中を見てみると。
ヒロシ「あ、なにも入ってない!」
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