いわくあり毛

ヒロシ「うわーん」



マルぼん「どうしたの?」



ヒロシ「あのね、GWは金歯たちと『町内のいわくつきの建物めぐり』をしていたんだけどね」



マルぼん「最近法律とか厳しいけど大丈夫?」



ヒロシ「で、僕は数年前、住んでいた家族が行方不明になった家をみんなに紹介したんだけど」



マルぼん「なんでそんなの知っているの?」



ヒロシ「金歯のやろう、金の力ですげえ『いわくつきの建物』を作り出して、それでみんなの話題をかっさらっていきやがったんだ!」



マルぼん「……」



ヒロシ「まず、あらかじめ用意した建物に、金の力でたくさんの人を集めて、刃物や銃器を用いて」



マルぼん「聞きたくないですー」



 こうしてマルぼんは、つけたものにスゲエいわくの付く機密道具『いわくあり毛』を用意しました。これをつければ、なんのいわくもない新築マンションも『生き死にに関することとかが色々あったいわくつきのマンション』にはやがわり。



ヒロシ「すごいや。これで家をいわくつきの建物にして、金歯たちの鼻を明かしてやろう!」



 さっそく金歯たちを呼びに、外へと飛び出したヒロシでしたが。



マルぼん「あ! 床においてあった『いわくあり毛』をふんずけたな!」



ヒロシ「げええ。足の裏から離れないぞ!?」



マルぼん「1度ついた『いわくあり毛』は絶対に外れないよ」



ヒロシ「どうなるの!? 僕どうなるの!?」



マルぼん「いわくがつくんだ。君に」



ヒロシ「なんだと! なんて道具をだしてくれたんだ! このオタンコナス! 腐れ明太子!」



マルぼん「ところでキミ、老女ばかり連続で襲うという畜生以下の所業を繰り返していたってほんと?」



ヒロシ「はぁ!? なにいってんの!? そんなことするわけないだろ」



マルぼん「三丁目の、中村さんの未亡人をつけまわしているとか」



ヒロシ「身に覚えないよ!」



近所の人「ひそひそ。大沼さんとこのヒロシさんてば」



近所の人「まあまあ。ひそひそ。最低ねー」



ポリスメン「もしもし。近くで不審な男が幼女に『駅はどこですか』と尋ねる事案があったんですよ。別に疑っているわけではないんですけど、署までご同行していただけませんか。いや、マジで疑ってないですから。いや、本当」



近所の人「大沼さんのご子息が犯人に違いないわ! しけい! きょっけい!」



 こうしてヒロシにいわくがつきました。マルぼんは『いわくあり毛』の効果は絶大だと思いました。

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