人のうわさは
通行人「すいません、駅はどちらですか?」
ヒロシ「その道を右です」
通行人「どーも」
ナウマン象「おい、見たか。今、ヒロシのやつ……」
ルナちゃん「うん。薄笑町の人と話してた」
薄笑町は、わが微笑町と長年憎みあっている隣町です。憎しみは憎しみで返し、悲しみは悲しみで返し、やさしさは暴力で返す。そんな間柄。
ナウマン象「もしかしてスパイなのでは」
ルナちゃん「スパイスパイ…」
ヒロシ「ああ、なんてこった! 僕に関して酷い噂が。もう、火事と葬式の時以外、町の人たちにかまってもらえない!」
マルぼん「『人の噂も75日システム』。このシステムを使えば、75日後に、どんな噂でもはかならず消してしまう方法を見つけてくれる機密道具なの。さぁ、システムを作動させるよ」
ヒロシ「とりあえずは、75日後を待つしかないね」
75日後。
マルぼん「ヒロシ、駅に行って来い」
ヒロシ「え、なんで」
マルぼん「『人の噂も75日システム』の導き出した『ヒロシは薄笑町のスパイ』という噂を打ち消す方法に、そうあるんだ」
ヒロシとマルぼんは、早速駅へ行きました。
マルぼん「なにもおこらんね」
ヒロシ「あ、あそこにいる人、アタッシュケースを置き忘れているよ。どうしたんだろ」
直後、爆発するアタッシュケース。爆炎に包まれる駅。
ナウマン象「おい、あの爆発事故の現場によ」
ルナちゃん「聞いた聞いた。ヒロシさんがいたって。やっぱりヒロシさんは、薄笑町のスパイ、いや、手先よ!」
こうして『ヒロシは薄笑町のスパイ』という噂は消えました。『ヒロシは薄笑町の手先』という噂が流れましたが、まぁよかった。そんなわけで薄笑町の手先であるヒロシは公開処刑ということになりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます