持ち主はだあれ
ヒロシ「庭にね、中がコンクリートで満たされているドラム缶が放置されているんだ。誰のだろう」
マルぼん「『持ち主識別液』。こいつをドラム缶に一滴垂らしてみるよ。するとだね…」
ヒロシ「あ! ドラム缶に文字が浮き出てきた!」
マルぼん「この液のかかった物はね、持ち主の名前が浮き出てくるんだ」
ヒロシ「えっと。微笑町を根城にしている暴力団『さわやか組』だって」
マルぼんはさっそく『さわやか組』に電話をして、引き取りに来ていただきました。
兄貴「どうも、うちの舎弟が迷惑をおかけしやして…てめえ、サブ! ちゃんと海に捨てて来いと言っただろ!」
サブ「すいやせん、兄貴…海に行くのが面倒で…」
兄貴「このバカ…! すいやせん、二度と浮かんでこない場所に沈めてきやすんで」
こうして、大沼家ドラム缶事件は幕を閉じたのでした。
ヒロシ「あ!」
マルぼん「どうした」
ヒロシ「『持ち主識別液』を片付けようとしたんだけど、こぼしちゃった。足にかかってしまったんだ」
マルぼん「おい、文字が浮き出てくるぞ」
ヒロシ「ええ!?」
『金歯』という文字が、ヒロシの足に浮かびました。
ママさん「ヒロくん、ごめんなさい」
ヒロシ「な、なに?」
ママさん「借金のね、担保がなくて」
金歯「さぁ、ヒロシ。病院へ行くでおじゃる」
ヒロシ「え」
金歯「朕、最近肝臓が調子悪くて、急いで新しいものに取り替えねばならぬのでおじゃる。さぁ、行くでおじゃる」
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