無敵ヒロシのハチミツ授業

ヒロシ「僕は知ってるあの歌を~♪」



ナウマン象「ヒーローシーくん☆」



ヒロシ「げ、ナウマン象…!!  や、やめてよ、往来で抱きついてこないでよ。僕は異性にしか興味ないよう」



ナウマン象「もうキミを離さない象」



ヒロシ「は、離してください、人を呼びますぞ」



ナウマン象「いまだ!」



ヒロシ「!?」



 着ていたものを脱ぎすて、今まさに生まれたままの姿になるナウマン象。なんと、体中にダイナマイトを身につけていました。



ナウマン象「これが21世紀のいじめじゃーい!!」」



 ダイナマイトに火をつけるナウマン象。ナウマン象の新いじめ『自爆』の餌食となり、微笑町はこの世から消滅しました。



マルぼん「もう、その程度の自爆で怪我するなんて情けないなぁ」



 帰宅したヒロシを消毒してあげながらボヤくマルぼん。



ヒロシ「そんなこと言ってもさぁ…畜生、いてて。薬がしみるしみる。どんな攻撃も受け付けない鋼のようなボディが欲しいよ……」



マルぼん「鋼のボディは無理かもしれないけど、どんな攻撃も受け付けないバリアーを常に体に発生させる薬ならあるよ」



ヒロシ「ほ、ほんと!?」



マルぼん「この『ミオマモルンPD』を飲んでみな」



ヒロシ「こ、こう? ゴクッ。あ、なんか、光の膜が僕を包み込みましたよ?」



マルぼん「そいつがバリアーさ。どんな攻撃も防いでくれる」



ナウマン象「ヒロシ、俺と死ね!!」



ヒロシ「ゲェー!!  日本刀を持ったナウマン象!!」



ナウマン象「オヤジ、涅槃で待つ!!」



ヒロシ「うわぁぁぁぁ!!」



 ところがどっこい、ナウマン象の日本刀はバリアーに弾かれで折れてしまいました。ショックでナウマン象切腹。ああ、さらば、最後のサムライよ!!



ヒロシ「すごいや、これで僕は無敵だね…って、ううっ」



マルぼん「どうした」



ヒロシ「腹が…痛い…腹が痛いですぅ!」



 病院に搬送されるヒロシ。



医者「とりあえず、鎮静剤を適当に打ってみますね。あ」



マルぼん「どうしました?」



医者「注射器の針が折れました」



 注射器もメスもバリアーが弾いてしまうので治療が行えず、その夜、ヒロシは亡くなりました。



 遺体は荼毘に付されましたが、ヒロシの体はバリアーのおかげでまったく燃えていませんでした。おかげで遺体は、そのままです。遺体がそのままなんて、ちょっとえらい人の遺体みたいでいい感じじゃないですか。はい、ハッピーエンド。

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