隣のあの娘は節約美人
最近、大沼家の財政が危機的状況です。貧しさは、大沼家の心をかなり蝕んでいます。
ヒロシはクラスの給食費を盗んで放送室に立て篭もって駆けつけた教師陣相手に『翼をください』を熱唱。
ママさんは毎日のように遊びにくる麻雀仲間に出す食事になにやら白い粉末を混ぜています。あれ? 麻雀仲間の保険金の受取人、なんでママさん?
パパさんは出社する会社もないので背広を着てパンクした自転車に乗って毎日町内をウロウロ。子供たちを狙う悪党どものぶっ殺す1人自警団を自称しています。
家族の精神状態を危惧したマルぼんは現状を打破すべく、ありとあらゆるものを節約してくるロボット型機密道具『節約美人』を使用することにしたのです。
ヒロシ「そんなの持っていたんだ」
マルぼん「こんな事態だから買ってきたんだよ。23万円。カードローンで借りてきた」
ヒロシは無言でマルぼんを殴りつけてきました。心から大沼家の幸せを願うマルぼんにこの仕打ち(具体的に言うとDV)!これだから、これだからテレビの電磁波とドラッグに脳を犯された現代っ子はー! 未来の地球っ子はー!
ヒロシ「まぁいいや。高価だからさぞかし便利なんだろう。はやく起動してみてよ」
マルぼん「まずは充電をしなくちゃ。大丈夫。毎日充電しても電気代はスズメの涙程度だから。そう。度重なる環境破壊で住む場所をなくし、一羽また一羽と死んでいきついに世界最後の一羽となったひとりぼっちのスズメがさみしさ故に流した涙と同じ程度だから」
マルぼんは『節約美人』を起動させました。色々とインストールなどして3時間後。ついに目覚める『節約美人』。起動した瞬間、『節約美人』はヒロシを窓から突き落としました。
マルぼん「ヒロシーっ!」
節約美人「節約完了。私の計算では大沼ヒロシは一生涯に渡って無職。それどころか返却できなかったら手ごろな内臓をチョイスして持っていってしまう種類の企業に金を借りまくって、親類縁者に地獄を見せまくるハズです。まさに無駄の極地」
マルぼん「バカッ! 通夜とか葬式とか結構かかるんだぞ! 戒名だって、凝れば凝るほど高価になる」
節約美人「遺体は、世間様にバレないよう庭に埋葬します。その上に家庭菜園でも作れば肥料もかからず一石二鳥」
マルぼん「そ、そこまで計算を!」
節約美人「ヒロシ失踪に関して、警察にそれとなく『そういえばパパさんが急にヒロシに保険金を』とでもチクっとけば、パパさんも消えます。パパさんの生活費も浮きますよ」
マルぼん「さすがだー! さすがだー!」
とても頼れる『節約美人』。マルぼんは、大沼家の素敵な未来を確信しました。
ヒロシとかパパさんとかママさんを節約し、大沼家に金の臭いを復活させてくれた『節約美人』。おかげでマルぼんは、肉体の衰えという言葉を知らない屈強な男たちによる人間神輿で町を散策できるようになるほどのブルジュワぶりです。
節約美人「これからどんどん節約していきます。ええ、していきますもの。とりあえず、兵器を買うお金がもったいないので、あの国とかあの国を滅ぼします」
マルぼん「ワー! 社会派ー!」
節約美人「他にもどんどん節約していきま
マルぼん「なにを節約してい…あれ?
節約美人「どうしまし
マルぼん「言葉が途中でとぎ
節約美人「ブログの容量を節
マルぼん「ちょっとま
節約美人「待てま
マルぼん「そ
節約美人「
マルぼ
節約
マ
今日の「マルぼんと暮らす」の文字数は節約します。
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