モットモット、特別な

金歯「朕のパパ上の会社、今年は微笑町の企業で一番の黒字を記録したのでおじゃるよー」



ルナちゃん「うちの教団は、微笑町のカルト宗教で一番多額の寄付金をいただいたわ」



ナウマン象「オレは、微笑町で一番逮捕された回数が多いぜ!」



ヒロシ「どいつもこいつも自分のナンバーワン自慢をしやがって。ふん! 時代は、ナンバーワンよりオンリーワンだよ!  運動会でも、競技に順位をつけるをやめて『みんなが1位。みんなが優勝』という方針をとるところが多いんだ。ね、マルぼん」



マルぼん「なんの変哲もない少年であるキミは、オンリーワンでもなんでもないじゃないか」



ヒロシ「言われみればそうだ!  ナンバーワンでもオンリーワンでもない

僕は、この国じゃ居場所がねえ!  どうしましょう!?  なんでもいいからオンリーワンになれる機密道具をだしてえ!」




マルぼん「そんな機密道具はないなぁ」



ヒロシ「うそつけ、あるんだろ! だせよ!」



マルぼん「あ、やめろ。やめ……ひぎぃ!!」



 マルぼんが機密道具や預金通帳や実印をしまいこんでいる『異次元胃』を勝手にまさぐりはじめるヒロシ。




ヒロシ「オンリーワンになれる機密道具だせ!」



マルぼん「やめ、やめろ。異次元胃を勝手にまさぐったら、防衛システムが作動して…」



 とき既に遅く、マルぼんの『異次元胃』は防衛システムを作動させてしまいました。防衛システムが作動すると、未来の世界の特殊光線が放たれます。特殊光線は、浴びた人間の脳を直接攻撃し、そして(略)



 その後、家の外であろうが内であろうが常に全裸で生活を送り、草花や風を友として、霞を食って生きている、死んだ魚のような目をしたヒロシの姿が町内で見ることができました。



 ヒロシに近づく人はいません。警察も事情をしって、見て見ぬフリです。ヒロシは常に1人です。オンリーワンです。それはもう、もっともっと特別な。

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