カメレオンヒロシ

ママさん「ああ! 血を分けた息子より大切している壺が割れているー!!」



ヒロシ「しまった、ついにばれたか!」



 壺を割った犯人であるヒロシ、自分の部屋に急いで戻り



ヒロシ「このままじゃ、母さんに怒られるよ! 怒られるだけじゃない、ボコられるよ! ボコられるだけじゃない、殺されるよ! 殺されるだけじゃない、遺棄されるよ! マルぼん、なにか隠れる道具を貸して!」



マルぼん「『保護色ラッカー』。こいつを体につければ、体の色が周囲の色と同じ色になり、パッと見、どこにいるのかわからなくなる」



ヒロシ「保護色になるということか。よし、こいつで姿を隠して」



ママさん「させるかよ!」



 突然部屋に入ってきたママさん、マルぼんが手にしていた『保護色ラッカー』を手で払い飛ばすと、ヒロシに向かって拳を振り上げ



ママさん「これは私が大切にしていた壷の分! これは私の悲しみの分! これは台無しにされた思い出の分!! そしてこれがオラの怒りだー!!!」













警官A「すると先輩、その子の顔を見ただけで『これは虐待』と気づいたんですね」



警官B「ああ。すごい顔色をしていたからな。いかにも『僕は虐げられています』って顔にでていたよ。だから速攻で親から引き離して、保護したんだ。今は施設だよ」



警官A「そんなすごい顔色だったんスか」



警官B「おうさ。あんな顔色、見たことねえや。『この子は絶対保護しなきゃ』って気持ちになったからな」



警官A「へえ」



警官B「思わず、保護したくなるようなあの顔の色。これが本当の『保護色』だな」



警官A「そんな色がなくなる日、来たらいいですね」



警官B「ああ。親が子供にひどいことをするんて、絶対にあっちゃいけないことだからな。独身の俺が言うのもなんだけどさ」



 マルぼんは『保護色ラッカー』の効果は絶大だと思いました。あと、世のお父さんお母さん、ガチでお願いします。

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