理想とまずい飯はきらい

ヒロシ「ルナちゃんが、なんかアリを踏み潰して喜んでいた! 笑ってた! 僕には見せたことのないような笑顔になってた! くやちい! 心臓とまれ!」



マルぼん「好きな人が自分の理想とちがう人物像だと、異様にむかつくね」



ヒロシ「ルナちゃんを僕の理想の恋人にできる機密道具をだして~!!」



マルぼん「『洗脳睡眠学習セット』。この睡眠学習セットを眠っている人に使用すると簡単に洗脳できる。付属の入力機を使用すれば、どのように洗脳するかを自由に決定できるんだ」



 マルぼんとヒロシは『洗脳睡眠学習セット』に「理想の恋人」と入力すると、ルナちゃんの部屋と忍び込みました。眠っているルナちゃんの脳に、『洗脳睡眠学習セット』を繋ぎ、スイッチオン。



 そのままルナちゃんが目覚めるのを待ちます。



ルナちゃん「う~んむにゃむにゃ」



ヒロシ「あ、ルナちゃんが起きた!」



ルナちゃん「あら、ヒロシさんにマルちゃん。ねえ、町役場へ行かない?」



マルぼん「なんで」



ルナちゃん「微笑町の貧富の差は、年々広がっているの。なぜだと思う? すべては行政の怠慢のせい!」



ルナちゃん「不平等のないすばらしい理想の社会を築くためには、腐りきった行政を叩き潰すしかないの! 潰せ!! 潰せ!! 潰せー!!! 立ち上がれ、同志よー!! 」



 叫びながら広報誌(なんか行政の悪口満載)をつくり始めるルナちゃん。マルぼんが『洗脳睡眠学習セット』を確認すると、『理想の恋人』ではなく『理想が恋人』と誤入力されていました。



ヒロシ「ルナちゃん、はい、角材!  はい、火炎瓶製作キット!  はい、警察にマークされにくアパートの部屋の鍵! は、偽造パスポート! はい、ひそかに後援してくれる人が経営している病院の住所が書かれた紙!」



 なんか速攻で洗脳されているヒロシ。マルぼんは『洗脳睡眠学習セット』の効果は絶大だと思いました。

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