遠くへ行きたい

かぐや姫(ヒロシの担任の54歳女教師。日ごろから『私は月のプリンセスなの。だからいつか迎えがくるの』とつぶやいているのでこのあだ名)「明日は遠足よ。場所は、微笑刑務所よ」



ナウマン象「え、めっさ近場ですよ!?」



かぐや姫「バス使うから大丈夫。遠足気分味わえるから」



ヒロシ「でも、目と鼻の先ですよ!?」



かぐや姫「なんか囚人の半分が性犯罪者で、半分が政治犯なんですってよ、微笑刑務所」



ルナちゃん「いや、そういうんじゃなくて」



 抗議する一同ですが、遠足は『微笑刑務所へ行って、囚人の皆様の作った木工品を買う』に決定しました。



ヒロシ「せっかくの遠足。せっかくのバスなんだから、どこか遠くへ行きたいよ。できれば美人の添乗員さんとねんごろな仲になって、ただの雄とただの雌と化し、本能のままに愛し合いたいよ!」



マルぼん「それならこれを使ってみるかい? 『カカナタ・シール』このシールをバスと乗り物とかに貼ると、その乗り物は運転手の意思に関係なく、遠くへ移動してしまうんだ。貼れば貼るほど遠くへ行く」



ヒロシ「わー。ミステリーツアーみたいでおもしろそう。とりあえず、バスに貼りまくってやろう」



 翌日。ヒロシたちを乗せたバスが出発直後に消えました。近隣住民の話によると、直前、銀色の物体が空を飛んでいたそうです。



近隣住民「When I'm farming, the dog which was in the neighborhood has begun to bark suddenly. When the sky was thought what was, a big and silver sphere was flying in the air. I have been paralyzed. Apparent. That's a UFO」

.


 バスが発見されたのは、一ヵ月後。微笑町から離れたアメリカのアーカンソー州の森の奥深くでした。マルぼんは急いで駆けつけました。



マルぼん「みんな、大丈夫か!?」



金歯「大丈夫でおじゃる。大丈夫でおじゃる」



ヒロシ「それどころか、僕たちは宇宙を見てきたんだ」



ルナちゃん「私たちは宇宙の一部なの。宇宙の一部であるワレワレ地球人は、宇宙の支配者たるタルダル星雲帝国の支配下にはいるべきなの」



ナウマン象「さぁ、みんな。タルダル星雲帝国のフランシー皇帝閣下を称える呪文を唱えよう!」



一同「はーべったらまんだらー!!」



 ヒロシたちは、遠くの世界の住人となってしまいました。



 マルぼんは『カカナタ・シール』の効果は絶大だと思いました。

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