召喚。

ナウマン象「ちょっとケンカで相手を死なせてしまったんだけど、相手の手にヒロシの髪の毛を握らせておいたから。DNA万歳」



ヒロシ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」




ヒロシ「ってなことがあったんだ! ナウマン象をぎゃふんと言わせる機密道具だして!!」



マルぼん「たまには自分の力でなんとかしてみなよ」



ヒロシ「誰か助っ人がいないと無理だよう」



マルぼん「仕方ないな。こいつを出そう。『助っ人召喚魔方陣』。こいつは助っ人になりそうなちょうどいい人を、

適当に召喚できる魔方陣さ」



ヒロシ「うほ。さっそく召喚しよ」



マルぼん「なんたからかんたらなんたらかんたら~呪文詠唱完了!」



ヒロシ「おお。魔方陣から人が出てきた!」



マルぼん「迷彩服を着ておられる。軍人さんだ!」



軍人さん「ここはいずこ?」



ヒロシ「あなたは僕の助っ人として活躍する人ですよ」



軍人さん「それは困る。ちょうどテロ鎮圧のまっ最中だったんだ。

はやく元の場所に戻してくれよ」



マルぼん「テロ鎮圧?」



軍人「そう。ちょうどこの手榴弾の安全ピンを抜いて、今まさに

投げるところだったんだ」



ヒロシ「それは忙しいところを。申し訳ない」



軍人「あ、そんなに落ち込まないで…いいんです。いいんで……」



どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん





数日後。



ヒロシ「おい、人類の歴史もそろそろ打ち切りだぞ」



マルぼん「また夢と現実の区別がついていないの?」



ヒロシ「ちがうちがう。見てみ、空が真っ黒だろ。魔王だよ。魔王が現れて、『人類をみんな食べちゃうゾ♪』と宣戦を布告したんだ」



マルぼん「ワ! 絶望的!」



ヒロシ「よし。自暴自棄を装って、暴徒と化した町民による略奪行為に参加してくるよ。今夜はステーキだね」



マルぼん「この前の爆発での近所の人々への謝罪と賠償も済んでいないし、それもいいかもなぁ」



ヒロシ「ナウマン象が例の軍人さんの遺族を煽って裁判起こしたりしているし、それが一番だよ」



 というわけにもいかないので、マルぼんたちは魔王を退治できる勇者を召喚することにしました。



マルぼん「ほら、例の魔方陣」



ヒロシ「改造したの?」



マルぼん「魔王退治用にカスタムしたんだ。まず、今この世界にいるすべての命ある者の中から、一番勇者の素質がある人を見つけ出してくれる。で、その勇者がどこに…たとえ海の底地の底にいても、必ずこの場に召喚してくれる!!」



ヒロシ「勇者サマ! 勇者サマ!!」



マルぼん「ヤスモノガイノゼニウシナイ・ヤスモノガイノゼニウシナイ。はー!! 呪文詠唱完了!!」



ヒロシ「あ、魔方陣から文字がでてきたぞ。『畠山スバル』。これが僕の勇者サマの名前だな」



マルぼん「その『畠山スバル』先生がいよいよ召喚されるぞ」



ヒロシ「勇者サマ! 勇者サ…!?」



 まばゆい光を放つ魔方陣。やがて光が薄くなっていき……そこには勇者『畠山スバル』が……いや、近いうちに『畠山スバル』となる予定だったものが。さすが魔方陣。勇者がどこにいても必ず召喚してくれます。そこが海の底でも地の底でも胎内でも。

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