雨
パパさん「ひそひそ」
ママさん「ひそひそ」
ヒロシ「いったいなにを話しているの」
パパさん「え、あ、なんでもないよ?」
ママさん「そうそう、なんでもないなんでもない。あわてないあわてない」
ヒロシ「気になるなぁ。なんぞ、僕に隠し事をしているのではなかろうか」
マルぼん「そう来るだろうと思って、一部始終を録音できる盗聴器を仕掛けておいたよ。さっそく録音テープを聴いてみよう。以下、録音」
パパさん「まったくヒロシときたら<雨は全てを洗い流してくれる。哀しみも。涙も>」
ママさん「ほんとロクでもないんだからいっそのこと<雨は全てを洗い流してくれる。辛さも。汗も。涙も>」
パパさん「そう思って昨日、裏ルートで<雨は僕を見守って、雨は僕らを助けてくれる>を買ってきたよ」
ママさん「さっそく今日の夕食に混入してヒロシを<雨は僕らのおとうさん。雨は僕らのおかあさん>しましょう」
パパさん「きちんと保険金を<雨は僕らのおじいさん。雨は僕らのおばあさん>」
ヒロシ「会話の途中に、珍妙な詩が入って、肝心なところが聞こえない!?」
マルぼん「あ、これ、『一部始終を録音できる盗聴器』でなくて『一部、詩集が録音される盗聴器』だった」
ヒロシ「もう、マルぼんてばードジなんだからー」
マルぼん「あはははは」
ヒロシ「あははははは」
ママさん「ごはんよー」
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