ヒロシの就職

金歯「朕は将来、コンツェルンの総帥になって愚民ども牛馬の如く働かせて、その上前をはねることが決まっているでおじゃる」



ルナちゃん「尊師は『来年ハルマゲドンくるよ』と予言されたから、私を含めて全人類は来年死にます。将来なんて考えていません。来世のほうが大切です」



ヒロシ「みんなきちんと将来のことを考えているんだな。なのに僕って男は、明日よりも今とばかりに遊び呆けてばかり。ああ、最低だ!!」



 以上のようなことがあり、ヒロシの精神はとっても不安定。なんか世間を騒がすようなことでもされたらやっかいなので(深夜に母校も侵入するなど)、マルぼんは早々と機密道具の使用を決断。



マルぼん「『適材関所』!!」



ヒロシ「なに…関所!?」



 部屋の真ん中に登場する関所。この関所を通り抜けると、通り抜けた人が『もっとも適した場所で仕事している姿』を見ることができます。



マルぼん「さ、通ってみ。君にもっとも適した仕事がわかるはずだ」



 関所を通り抜けるヒロシ。関所についているモニターに、映像が映し出されました。



 映像のなかでは、ヒロシが黒い服を着ている男2人と車に乗っていました。車は発車する寸前で、車の外にアタッシュケースをもって微笑んでいるママさんと見知らぬ男性の姿を見ることができました。



ヒロシ「僕、なんだかとっても悲壮感漂っているんだけど」



マルぼん「なんだろう」



 黒服に泣きついたところで、場面が代わりました。ヒロシと同年代の女の子が、花畑を走り回っています。



ナレーション『エミリーちゃんは移植しか治療方法がない心臓病でした。臓器提供者はなかなか現れず、時間ばかりが過ぎていったのですが、無事に代わりの心臓がみつかり、今はこの通りです』



 また場面がかわり、今度は水泳をしている男の子。



ナレーション『マイケルくんが移植しか治療方法がない腎臓病でした。臓器提供者はなかなか現れず、時間ばかりが過ぎていったのですが、無事に代わりの腎臓がみつかり、今はこの通りです』



ヒロシ「なんなんだろうね、これ」



『誰かの体内』というのも立派な就職先だと、マルぼんは思いました。

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