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小さい頃

とにかく空耳が多かった。

一人でいるときも

誰かといるときも

人混みの中でも

後ろから名前を呼ばれる。

最初はえっ?と振り返っていた。


誰もいない。


何度も何度も同じことがあった。

そのうちに思った。


聞こえているのか試されている。


呼ばれても、振り返らないことにした。


ある日、親に呼ばれたので振り返った。


誰もいなかった。


親にそっくりの声だった。


もう、誰に呼ばれても

すぐに振り返らないと決めた。

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