第4話 魔術使いⅣ

「さてと、ゆっくりと出来る場所に来れたし、改めて自己紹介するね」


 その後、喫茶店へと連れてこられた。ゆっくりと話をしたいと彼女は思って、ここに連れてこられたのだろうね。


「あ、自己紹介する前に注文しないとね。何がいい?」

「ではカフェオレで」

「分かった。すみません、ホットコーヒーとカフェオレ一つずつください」


 先輩は店員を捕まえて、軽く注文した。数分でそれはテーブルへと置かれた。


「さて改めて、私は『藤崎蒼』、年齢は20歳の表向きはフリーターです」

「『白御原燐音』、一応今月4月から大学生です」

「てことは18歳ね」


 コービーにミルクと砂糖を入れてかき混ぜていた。それを先輩はずっと眺めていた。私はアイスカフェオレに入っていたストローから少しずつ飲んでいく。

 この人、思ってたよりも若い。なんか、昨日のが想像つかないな。


「多分だけど、今後一緒に行動する事もあるだろうし、お互いに死なない程度に頑張りましょう」

「あ・・・はい。それよりも一ついいですか?」

「何?」

「魔獣って出現ポイントって分かるんですか?」

「ある程度までね。細かくは特定出来ないけど、魔力の濃い場所が主にそうかしら」


 濃い場所、多分爆撃の規模を表したような円を用いるのかもしれない。あの本に書かれていた通り、魔力は人には影響しない。だから、そこに行っても濃いとか見分けはつかない。


「でも、安心して。毎日出現しているけど、私達みたいな事務所はほかにも複数あってね。その人達と獲物の奪い合いをしてるの。だから、戦闘しない日も実際にあったりね」

「昨日の人達、先に手を出したと聞いた瞬間に身を引いたのもそれが原因ですか?」


 昨日、黒服3人が私を追い詰めた魔獣へと攻撃を開始していた。だけど、何かしらのルールに則って下がったと考えると、彼らの撤退は納得がいく。多分、『最初の一撃を与えた事務所が戦闘の権限がある』とか。

 まだ、そこら編の知識は足りない。もう少し先輩たちの事をもっと知る必要がある。一緒に行動する時、動きを目で盗み、言葉を覚える。そうすれば、早くて一ヶ月である程度の知識は身につくかもしれない。

 知識は行動で身につけたほうが早いと思っている。


「そういう事。それも本部が決められている。細かいルールは後々じっくり覚えればそれでいいから」


 先輩はコーヒーを口へと運び、にこやかにそれを答えていた。その表情は何かと大人に見えた。どこからどこまでが大人として扱われるのか分からないけど、ただ、その時は大人に私は見えた。

 私も、先輩のように強くなれるか・・・。いや、魔術とかそんなのあとで覚えられるだけ覚えればいい。私がここに来た目的はそれだけじゃないし、何よりもそっちはそっちで私自身で解明する必要があるから。

 カフェオレを飲んでいる時、先輩の携帯から着信音がなった。端末を取り出した先輩はすぐに確認し、にこやかになりながら、端末に写っている画像を私に見せてくれた。


「今夜、印があるでしょ?」

「ありますけど、ここが発生する恐れがあるって事ですか?」


 数カ所に赤色や黄色、青色の丸い印が写った地図が写っていた。


「そう、赤色が発生する危険性大で、黄色が中、青が小って意味合いなんだけど、まあゲームとかアニメとかでよく使われる方法ね。それこそ、分かりやすくて助かるんだけど」


 アニメやゲームでよく見る方法だった。確かに見れば分かりやすい。丸い印の隣にも発生確率が書かれていたのだが、多分、%ごとに区切られていると思う。中でも赤色のは80%を余裕で超えていた。

 多分、赤色の所に他の人達が集まるのは目に見えている。東京と言ったら、日本の都道府県別人口が一番多い都市だ。それなりに奄美さんみたいな事務所が複数合ってもおかしくはない。


「先輩」

「何?」

「今日はここに行くんですよね」


 私は赤い所へと指を指した。


「えぇ、ここになるでしょうね」

「場所変更しても大丈夫ですか?」

「?」

「こことかに」


 私は別の所で黄色の所に指を指した。黄色は他にも3箇所あったが、私が選んだ所はそこよりも黄色の中では一番低い42%の所だった。


「理由は?」

「私も突如と人の多い所に行った所で邪魔になるでしょうし、私自身もそこまで詳しくありません。なら、発生確率が低い所に行って、どんな風に移動するのか、どんな立ち回りをするのか見たいと思いまして」

「いるいない前提の事ね。いいわ。確かにあなたはまだ初心者だし、私の立ち回りとかを見てもらっても問題ないかな。今夜装備届くと思うし、奄美さんから受け取ったら早速行きましょう」

「はい」


 無論、安全なんてない。私が選んだと所は非常に厄介な敵が発生する。その事を今の先輩に走る必要はない。私もそれがどのようにして分かるのがいまいち分かってないけど、発生するのはちゃんと

 赤い印の場所よりも強力な魔獣の誕生、周囲には先輩と私以外誰もいない。そんな状況下で先輩はどのように立ち回るのか、見てみたいと私は思った。

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