外つ歌:流星の行方

 シノノメと会うことができぬと告げられたマヘラ姉ちゃんは、涙を浮かべて空から落ちてくる流星を叩き切りました。完全に八つ当たりでした。

 流星は上と下への泣き別れになり、そのまま燃えていったと言います。


 それはさておき。

 草原の終わりには山嶺があり、そこは不死者たちにより要塞化されて、人も獣も植物さえも寄せ付けぬ、恐ろしい死の山となっていました。

 山の斜面には白骨のごとき枯れ木の森があり、植物が失われて保持力が失われ、あちこちの地盤が崩れて崖を作っています。

 それはさながら青の軍勢を拒絶するようでした。

 双眼鏡を覗きながら見ただけでひどい戦いになると嘆息したのはルナという名前の可愛い猫です。この猫もピロット族でした。彼女は品の良い尻尾をゆらゆらさせると、どうやれば攻略できるかしらと前脚の肉球をはむはむしながら考えました。

 結論は出ませんでした。猫は難しいことを考えるのが苦手だったのです。


 ルナは偵察の役には立ちませんでしたが、代わりにちょっとだけ別の方面でお役に立ちました。落ちてくる流星の片割れを何の考えもなしにキャッチしたのです。彼女の機体にはちょうちょを捕まえるための網が装備されており、それが役に立ったのでした。

 ルナはどんなお星様が入っているのかわくわくして見ましたが、出てきたのは上半身だけの黒焦げの機械でした。意外にグロかったので捨てようかと思いましたが、若干それも悪い気がして、後方に持っていくことにしました。

 全般猫らしく思いつきの行き当たりばったりの行動でしたが、仲間の一部は大変にこれを喜び、ルナはこれに気を良くして自らの機体を流星号と名付けました。

 

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