宿の中での一日 1
ピピピピ、ピピピピ——
「——ん。もう朝か。」
俺はギルフォンのアラームの音で目が覚めた。昨日の夜にギルフォンを弄っていたら見覚えのあるアイコンがあったのでまさかとは思ったがアラーム昨日まで搭載してあった。ギルフォンの機能マジ便利。
そのうちインターネットも出来るのではないだろうか?
「うん?何だこれ…紙?」
目が覚めて一番最初に目に入ったのは、俺の部屋の机にある置き手紙だった。
「えっと、内容は…」
『今から夕方まで少し出掛けます。実は昨日の夜に伝えようとしたのですが既にシロウさんが寝ていたので置き手紙で伝えることにしました。
あと、私が出かけている今日一日は宿から出ないようお願いします。バレないとは思いますが念の為です。もし宿から一歩でも出たら龍属性魔法で消しますんでよろしくお願いします。』
おいちょっと待て。最後の一文は何だ?宿から一歩でも出たら龍属性魔法で消す!?何だそのリアラにしか出来ない脅迫!?
この町に来てから女性がへの恐怖心がヤバい。
「まぁ、やりたいこともあったから丁度いいか。」
俺の今日の一日は、宿から始まり宿で終わると言うことはわかった。というか、あんな脅迫されたら宿から出ない選択肢しかない気がする。
「よし、とりあえず朝ご飯食べるか。」
今は女性への恐怖心を忘れるために朝ご飯を食べることにした。
朝ご飯を食べた俺は部屋に戻った。
「よし、それじゃあやってみるか。」
部屋に戻った俺は床に座ってそのやりたいことを始めた。
「創造。」
そう、俺がやりたいことというのは今出来る最大の剣を創造してそれを出来る限りストックすることだ。
ストックする剣は全て同じ特徴のものではなくそれぞれ違う性能に特化したものだ。
今の最大魔力が173だから最大魔力を消費して創造出来る剣は二本か。
「まぁ、そういうのはコツコツ作っていくとするか。」
まず一本目。消費魔力は最大の75。丈夫さを四割、軽さ一割、鋭さを五割の割合で魔力を消費して剣を創造する。
剣の形は日本刀のような形にする。やっぱりスパッと切る剣と言ったら刀だよな。
「よし、一本目完成。次は二本目の創造だな。」
消費魔力は同じく75。今回は一本目と違って丈夫さ三割、鋭さ三割、軽さ四割で創造する。さっきの剣は鋭さを上げたが今回は剣を振る速度を速くするために軽さを上げる。剣の形は刃の長さが長い程振る速度が遅くなるので短剣にしておく。
「よし、完成!」
自分で作っておいて言うのもなんだが、まるでおもちゃの剣のような軽さだ。本当にこれでものを切れるのかが怪しくなってきた。
まぁそれは兎も角、今の残り魔力が75以下だから今日の剣のストック作りは終わりだ。後は何か暇つぶしでもしてリアラが帰ってくるのを待つか。
そうして俺は、残り魔力で簡単な木刀を創造してそれを振り始めた。
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