第442話 糞ふんじゃった

 祖母よ……なんで嘘をつくのか。

 明らかに臭うのに、紙パンツを脱ごうとしているから様子を聞いたら「トイレに行きたい」そうか。

 じゃあまずは立ち上がらねばね。

 と、手を貸して立ち上がってもらう。

 なれたもんよ。

 そしてトイレへ送って、帰ってきたのを見たら、なんとまあ。

 紙パンツ一丁。

 おかしいなと下へ目をやれば、スカートが足首にまとわりついている。

 じゃあ、持ち上げればいいじゃんと思って放っておいたら、ベッドに座って背中で何か、語るんだ。

 おかしいな。

「どうしたの」

 って聞いた。

 祖母は「スカートが濡れた」って言う。

 ふーん。

「大? 小?」

 と念のため確認したら、「小」というから、それ以上確かめるのもいやで、洗濯機に放りこんで洗剤を入れてスイッチを押してきた。

 だけど!

 祖母が「ひもじいい」って言うから、ご飯を(まだ五時だけど)よそってきてお茶と卵とノリをつけて運んできた。

 それより、猫がなんだか祖母の部屋で吐いたんだけれども。

 この臭いはなんだろうなあ。

 わかんないなあ。

 と、思ってました。

 で、キッチンから暗い廊下をすたすた歩いてご飯を運んで来たら!

 なーんか、靴下にしっとりした感触。

 廊下が暗いから電気をつけたら、なんと! トイレから祖母の部屋まで糞の帯ができていた。

 察するに、あの引きずっていたスカートにも糞がついていたんだろう。

 ふんじゃったよ! 糞っっ!!!






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