第434話 いい気なもんだ
おととい。
一番下の妹がやってきて、祖母を散歩に連れていくと言ってきたが、祖母は立てないよと伝えた。
しかし、少しは動かなきゃと無理に連れ出し、結果帰りの玄関先でダウン。
祖母はベッドの中で「こども三人もうるさか」となんども寝言で言っていた。
ああ、妹ったら祖母に息子たちを逢わせたんだなと思う。
そして次の日の土曜日。
その妹は三人の息子を引き連れて祖母の部屋に集まっておしゃべりしたらしい。
祖母は滅入ったように布団をかぶってベッドから出てこなくなった。
お昼も食べない。
妹は「片付けのお手伝いをしに来たの」と言ってこたつでくつろいで息子たちをのばなしにするから、猫はピコピコハンマーと手作りの槍で追い回されて隠れてしまうし、どったんばったん非常にストレス。
「帰ってくれたら助かる」と静かに言ったら、妹は「じゃあ、帰ろっか。邪魔だってさ」
と言って猫アレルギーの息子を急き立てた。
動画を観ては騒ぎ、牛丼を食べては騒ぎ、母も「子供たちが騒々しい」と言っていた。
それなのに、気ぃ遣いな母は「コロコロコミックを買ってあげる」と言って、丁寧に送っていったりもした。
「ねえ、どうして妹は家に来たの」と尋ねると、「お手伝いしたいからって」と答える。
じゃあ、なんでお手伝いを頼まなかったの、と聞くと「子供たちが騒々しくて指示できない」と言う。
結局母も祖母も疲れ果てて、寝込んでしまった。
妹かぁ。
遊びたい盛りの息子三人も連れてきて「お手伝い」もあったものじゃない。
ほんと、迷惑。
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