第379話 脳内そぞろ歩き

 書くことがないなーと、思うわけなのですが。

 身近なことは案外ネタになるかもしれないので、書いてみます。


 朝の二時半にお猫様に起こされ、ポーッとしながら餌やり。

 ウェットフードのパウチをハサミで開けて、平べったく皿に出たそれにナイフでダイヤ型に切れ込みを入れる。

 さあ、ごはんですよ、食べてね。


 次は今日の朝の予定をメモに書き出す。

 水シャワーとストレッチ。

 神棚にお供えをして祈る。


 そして、日記を書く。

 エッセイも。

 書き終えたらお腹が減っているだろうから、ごはんを食べる。


 夜中つけっぱなしだった扇風機は、ちょっと寒いので一回止めて、そうすると静かになったので雨音が響く。

 夕べ、フィン感を読んだのだよな、と思いめぐらす。

 Han Luさんあてだった。


 上手にカクなと思っていたけれど、ああいう切り口で腑分けされていると、さすがのメスさばきだと思う。

 Han Luさんは説明文がお嫌いだそうだ。

 前からそうおっしゃっていたが、それは上手であるが故の縛りだろうと思う。


 わたくしが説明を省くと、言葉足らずと言われるものな。

 イヤミなく説明をカクって、大変気を遣うんだよな。

 わたくしはHan Luさんの域までいけないのかな。


 まあ、とにかくカクしよう。

 上手になるためじゃなくて、今の記憶を残すために。


 スコちゃんのタイマー式餌皿の、時を刻む音が響いている。

 ふとキッチンの入り口に目をやると、先ほどまでいたスコちゃんがいない。

 餌も四分の一、残している。


 量が多いのかな。

 完食したあとに、彼女の後ろ姿を上から見ると、おなかがポッコリしているのだよね。

 食べさせすぎかな。


 今日は母と祖母がかかりつけの医院で、二回目のコロナワクチンを打ちに行く。

 接種するために、インターネットは役立たずで、いつもの検診を受けに行ったときに偶然受け付けてもらえたそうだ。

 これも日ごろの行いだな。


 昨日は枯れ落ちたブーゲンビリヤのかごを、母たちがまだ飾っているので捨てなさいよと言ったら、ドライフラワーのようだからとわけのわからない言い訳をする。

 さらに、七夕だからといって折り紙の輪飾りや即席の花を飾りつけている。

 それで「クリスマスみたいね」だそうだ。


 御年よりは物持ちが良く、「捨てなさいよ」という言葉に衝撃を受けるらしいのだが、さりげなくわたくしがテーブルからどけておいた枯れ花をもとに戻しておくいじましさ。

 かごの形がおもしろいそうだ。

 結局妹宅から帰る時に思い出したが、七夕用の笹はもらえなかった。


「あそこの竹やぶはタケノコを自由にとっていいくらいだから、笹もくれると思うのよね」


 母は甘い。

 孫が幼稚園で持たされてきた笹飾りを見て、かわいいね、Rくんが書いたのかね、とニコニコ。

 わたくしはららぽーと横浜の来場キャンペーンに短冊を書ければそれでいいやとたかをくくった。


 今年も愛する人たちの幸せを祈るのかなあと思ったりもする。

 それより、スコちゃんとわたくしの大殺界や天中殺の魔力をどうにかして緩和してほしいと書くべきか、悩む。

 まあ、それは神棚のお札に祈願しているので今更という気もするけれど。


 最近、手相について検索したら、わたくしの手に、大逆転の吉相が表れていることが判明した。

 前からわからない、この線はなんなんだと思っていたところ、どんぞこから這い上がる、と出て驚いた。

 今年から大殺界で、来年から天中殺も加わると言うのに。


 まあ、運を引き寄せられるならそれもいいかも。


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