発達障害と僕

作者 春木 直樹

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★★★ Excellent!!!

 発達障害というワードは、確かに小耳に挟んだことはありましたが、ではいざ「どんな症状がある?」とか、「互いにすべき行動は?」と問われれば、今までの私なら絶対に答えられなかったでしょう。この文を読んでいる方には、世界を見る目を広げるためにも、是非とも読んでほしいと思います。
 
 高校や大学で、私は自分とどうも馬が合わない幾人かの同学年・先輩・後輩と作業をすることがあったのですが、その時は「どうしてそんなことをするんだ。配慮が足りない」と、自分勝手に思っていました。しかし、”一般”とは違う方に対する理解と言うのは、たちの悪いことになかなか広まっていきません。それどころか、そのまま放っておくと両者の間に溝が生まれます。
 ここでいう「たちの悪い」と言うのはずばり、私のような人が「自分の独断に従って行動している」のではなく、「世間一般の”きまり”」に従って行動していることを示します。私はこの時「自分は”きまり”にきちんと従っているのに、どうしてこの人はそれをしないんだろう?」と理不尽な怒りを覚えたのです。

 このエッセイは、その点で、私にとってかなり大きな価値を持っています。知識として「知る」のと「理解する」のとでは、大きな差がありますが、それでも正しく知ることで、少なくとも意識の拡張がなされました。このことは私と馬の合わなかった方との懸け橋となって、延いては新たな人間関係を築くきっかけとなるはずです。