荒神の勾玉

結城 凛香

プロローグ

第1話 エピローグ


 生きていれば良いことがあるなんて嘘だった。

 自己満足な慰めに活路を見出した僕は、ピエロもいいところで。

 ただただ転落していく人生を、どこか傍観者の心持ちで諦めるしかなかった。


 最後に訪れた結末は―なんだったか。

 もう理由なんてどうでも良くなっていた。

 終わらせてくれれば。


 なんて無慈悲なこの世界。

 この世界に未練なんて、とうにない。

 これから訪れるのは、ついぞ果たされなかった安寧への扉。

 そこにあるのは希望。


 それでも最後の最後で燃えカスの自尊心が叫んだ。


 これだけは言える。

 この世界は間違っている ―― 間違っているこの世界が、僕は心底嫌いだった。

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