第7話 ノアの語り1
「俺は、しがない人形の作り手だった。
「なに、動くようなものじゃなく普通に飾るやつだ。
「糸を使わなきゃ動かない、足も心も持たぬ人形だ。
「自分で作った人形には、やはり愛着がわく。オーキスならわかるだろう?
「そう、その人形と同じように私の作った人形も一つ一つ宝物なのだ。
「真面目な姿のままでは置いておけなくなり、服を着せようと思った。
「なかなかピンと来るものがなくてね。この町の服屋は全部当たったよ。
「最後の店が、そして僕が選んだ店があそこに見える小さな建物だよ。
「あそこは、1人の女性が経営していたんだ。
「その人の作る服は、人形に命を吹き込んだようだった。
「それから彼女に毎回服を作ってもらうことにしたんだ。
「そうしていくうちに、なんでも話せる仲になった。
「そんな幸せが崩れたのは、つい一週間前だよ。
「あいつのせいで……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます