いつか僕はこの月に殺されてしまう

作者 和久井 透夏

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★★★ Excellent!!!

タグに「なんちゃってホラー」なんてあるから、和久井さんワールドによくいる特殊性癖な皆様がきゃっきゃっうふふと変態行為におよびつつゆる~い感じの怪談になると最初は思っていましたが……(^_^;)

なんと、このお話には特殊性癖なHENTAIさんがいません。
「一人ぐらいはいるだろう、だって和久井さんだぜ?」と物凄く失礼なことを物語の中盤あたりまで考えていましたが、HENTAIさんは現れませんでした……(←なぜ残念がる)

この物語、「どこがなんちゃってホラーだよ!!!」とツッコミを入れたくなるほど真剣にマジでガチなホラーをやっています。しかも、絶対に関わりたくないようなかなりたちの悪い怪異たちがバンバン登場し、主人公の輝くんはいつも生きた心地がしません。
というか、よく生きているよな、この主人公……。

そんな輝くんの血の繋がらない姉・あづ姉は、ある目的があって怪異が起きるという噂がある場所をあちこち訪ね歩く「神活(神隠し活動)」をしています。輝くんはこのあづ姉に振り回されるかたちで恐ろしい怪異たちと毎回のように遭遇し、どったんばったんの大騒ぎ。
零感(ぜろかん)のあづ姉はケロッとしていますが、輝くんはいつだって死と隣り合わせ(^^♪ あづ姉、輝くんを死地へと誘いすぎぃーーー!!

輝くんは基本的に怪異と戦う力を持っていないので、怪異に襲われている時の絶望感はかなりのホラーです(>_<)
怪異が見えること以外はただの無力な少年……この人物設定が功を奏したのでしょうね。毎回、読者は「この主人公、今度こそ死ぬかも……」と冷や冷やさせられっぱなしです。


あっ、「そこまでマジなホラー小説だったら恐くて読めないかも……」と思っているそこのあなた! 大丈夫です! とても魅力的なヒロインたちがそろっているので、お話が恐くても可愛い女の子に萌えるあなたの萌え魂があれば最後まで楽しむこと… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

タイトルが、とても重要な作品です。
途中まで読めば、その意味に気が付きますが、しっかりと最後まで読めば、「やっぱりそうなんだな」と納得出来る素敵な小説となっています。
また、各話タイトルにも面白さがあるので、注意して読んでみて下さい。

もう一つ、この小説の好きなところは、主人公の輝くんです。
色々と大変な思いをするのですが...
それがまた面白かったりします(笑)
ネタバレになるといけないので、詳しくは書けませんが...
あっちにいったり、こっちにいったり、もどったり、いったり。。。
とにかく大変なので思わず応援したくなる輝くんです。

最後に作者さんへ。
完結お疲れ様でした。
素敵な作品をありがとうございました。
最後まで読めて良かったです。

以上がレビューとなります。

★★★ Excellent!!!

タイトルと内容の親和性と、読みやすい物語、飽きさせない展開と、非常によくできお話でした。
しっとりとした怖さホラーで、怖いのが苦手でも受け入れられるバランスが素晴らしいです。
最近の作者さんのジャンルとは違いますが、むしろ一般受けしやすく一気に読める作品だと思います。

ただ、謎が解けていないので、この謎をどこかで書くつもりなのでしょうね……。
いや、書かなきゃダメでしょ、これ(笑)

★★★ Excellent!!!

 まずタイトルを見たときに素敵なタイトルだなと思いました。次にキャッチコピーを見て「んん?」となったのです。

 内容を見て納得。
 このレビューは完結後に書いていますが、序盤でキャッチコピーの意味はわかるでしょう。なのでまずは読み進めていただくと、ああこういう話なんだなと思われると思います。
その理由は簡単、キャッチコピー通りの人物が物語を動かしていくからです。とても明るくて読みやすく思いました。

 さて、じゃあ、タイトルはどうした?となるんじゃないかと。ここからが中盤、終盤の物語です。
 タグに「オカルト」、「なんちゃってホラー」とあるように中盤からはさらにその毛色が濃くなります。ある意味「なんちゃって」は要らないのではないでしょうか?
 キャッチコピーのコミカルさとタイトルのオカルト感がここでかみ合ってくるのです。その引き込む力がすごい。

 この作品の特徴は登場するキャラクターの魅力に加えて、そういった読者への物語の吸引力、引き込む力がすごいところです。場面場面で期待感を持たせられてしまいます。

「月」っていつも同じ側を地球に見せていたりして、とてもミステリアスですよね?月にまつわる話はとても多いと思います。

 この物語では登場するキャラクターにそういったミステリアスな部分があるのではないでしょうか。だからこそ、魅せられます、引力のように。それは鋭い刃となって刺さるかもしれません。

この物語を読む人にとって、物語が「月」でありますように。

★★★ Excellent!!!

異形のものが見えたらどうしますか?
それが自分の身に災いを持ってくるとしたら?

必死に考えて生き抜こうとする輝くんの奮闘物語。
周囲には優しい大人だったり、凄まじい勢いで振り回してくれる人だったり。いつだって傍にいて安心できるはずなのに、よくよく考えるとあづ姉と出会ってから泥沼にハマってると思うんです。あれ? 実は元凶だった!?
その辺りは本文を読んで頂くとして…

本文は読みやすいです。
それぞれ話に展開があって、颯爽と登場したり、あっさりとご退場頂いたり、あ、それもOKなんだ。ラッキーみたいなものも。
途中、霊的な魂の仕組みについては読み直してしまいましたが、他は丁寧に説明してくれていますので小難しく考えなくても読めると思います。

せっかくの夏ですから、お一つこういったお話はいかがでしょうか?

★★★ Excellent!!!

 タグに、なんちゃってホラーとあるが、謙遜の類だろう。

 タイトルからして、引きつけられるこのセンス。私も思わず読まずにはいられなかったわけだが。

 その名に嘘偽りなく、現世と霊障の狭間に立つ主人公の、ツイているやら憑いているやら・・・・・・あづ姉の側にいてなお(側にいるからこそ、なのかもしれないが)危機的状況は、ストーリーの先を知りたくなる緊迫感を持つ。
 背中を走るゾクゾクとした粟立ちは、例えるなら、三日月いや・・・・・・繊月のように細く鋭利な先端でなぞられるような痛覚と快感。

 キャラクター要素と作品全体の雰囲気から、ホラーでありながら個人的に嫌悪感も無く、絶妙なバランスの蠱惑的、魅力的な物語であると言えよう。
 この月の満ち欠けの先、どのような結末を迎えるのか、実に楽しみな作品である。