ep10-4
「ふぅん、大魔王メイルシュトロームの力を……ねえ。でもルキーニ、仮にその力を手に入れてもあまり役には立たないと思うよ」
「えーっ、なんでさ!」
ガルフストリームの苦言にルキーニは頬を膨らませて反発する。
ガルフストリームは諭すように語った。
「大魔王の力がどんなものかは、見たことがあるかい?」
「うーん。片鱗程度には、ね。ソニアちゃんが暴走した時に。なんか、白い羽根みたいなのが生えて、手から自在に魔力回路を生み出していたよ」
「そうだね。世間的には、この世界すべての魔力回路を司る力だとも言われている。でも実を言うと、そんな万能なものじゃない。私たち四魔王の力を統合した程度のことしか出来ないんですよ」
ガルフストリームはベッドに横たわるソニアに近づいて、上体を起こさせる。
「えっ……?」
ソニアが抵抗する暇もなく、患者着の上がガルフストリームによってするりと抜き取られる。
「~ッ!?」
突然の出来事に、顔を真っ赤にして目を白黒させるソニア。
さらに追い討ちをかけるようにガルフストリームの手がソニアの胸の先端をさらりと撫でた。
「~~ッ!?」
一体どれほどの手技なのか、ガルフストリームがひと撫でしただけでソニアは全身をビクンビクンと跳ねさせて太ももをもじもじとすり合わせた。
「まず、愛欲の魔王ビンネンメーアの力。性的な興奮を魔力に変える能力」
「~~~ッ!?」
ソニアは既にガルフストリームのなすがままになっている。
「そして私、医療の魔王ガルフストリームが描いた魔力回路の紋章が体内の魔力を吸いつつ、」
ソニアの体の反応に呼応するように、背中の紋章が光った。
「絵画の魔王タイダルウェーブが得意とする魔粒子を召喚」
ガルフストリームによって弄ばれるソニアはもはやだらしなく口の端からよだれを垂らして体の感覚に身をゆだねている。
そんなソニアの背中に描かれた魔力回路から光る粒子が飛び出てくる。
「そして、遊戯の魔王ヴォルティーチェの念動力。ソニア王女、この回路を空中に書いてご覧なさい」
「ふぇ……?」
ガルフストリームがノートに描いたメモを見せると、ソニアは浅い呼吸を繰り返しながらも光の粒子を操り、最も単純な発熱(ヒート)の魔力回路を空中に描いた。
「おぉ……」
その場の皆が感嘆する中、空中の魔力回路は正常に作用し、回路の周りの空気が温められる。
「わかるかい、ルキーニ。この力は魔力回路を自由に描けるというものなんだ。つまり、術者自身が知らないものは描けない。2人が元の体に戻っても、元々知らない回路は描けないのさ」
「そんなぁ……そっかぁ」
ガルフストリームはソニアのなだらかな胸を揉みながらルキーニに語りかけた。
ほどなくして、ソニアの身体が弓なりに跳ね上がって痙攣した。
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