第132話 エキサイトルーム

俺が服を全部脱ぐと、ニジナが頬を赤くして顔を背ける。もう止まらないぞ……後悔しても遅いからな……そう心の中で呟きながら、裸のニジナを抱き寄せる。


ニジナは完全に力を抜いて俺に体を預ける。まずは二度目のキスをする……ニジナは嫌がるそぶりも見せずにそれを受け入れた……


長いキスの後──


そろそろアレだな……もっと先に進むべきだな、そう考えた俺は、ニジナの唇から、首筋へとキスを移動させ、そしてさらに下へと向かっていった……


ドッカシャーーーン!!!


いよいよニジナの先端へと到達しようとしたその瞬間、部屋が爆発したんじゃないだろうかと思うほどの衝撃と爆音が響いた。


「なっなんだ!?」


見ると部屋のドアが吹き飛んでいた……入り口部分にぽっかりと大きな穴が空いていて、そこに一人の人物が立っていた。


その人物は、この男と女のデリケートな状況も物ともせず、ズカズカとこちらに近づいてきて、こう話しかける。

「お主がジンタという召喚士だな」

驚いて呆然としている俺は、素直に答える。

「は……はい……そうだけど……」


しかし、その人物はその答えには興味を示さず、ニジナを見て驚きの声を上げる。

「ニジナ!!」

ニジナの方もその人物を知っているようで名前を呼んで応えた。

「エルフィナス! え……どうしてここに?」


「ニジナ……お前……この召喚士とエッチなことをしてたのか?」

エルフィナスと呼ばれたその人物のストレートな問いに、ニジナは頬を赤く染めて恥ずかしがる。

「ニ……ニジナ!!!」


あっ……ニジナが殴られる……そう思うほどの剣幕で、エルフィナスはニジナに迫り……がっしりと抱きついた。

「おお……ニジナ……我が妹よ……お前がそれほどラミュシャ様のご意思を理解してるとは思わなかったぞ……そうか、そうか……愛しの召喚士に、そこまでの愛を示していたとは……よし! これは負けてはいられない……ここからは私もその愛の営みに、参加させてもらうぞ!」


そう言ってエルフィナスは何を思ったか、衣服を全て脱ぎ始めた。

「ちょっと! エルフィナス! 何してるの!」

慌ててニジナがそれを注意する。

「もちろんエッチなことをするに決まっているではないか、愛しの召喚士に私の裸体を見てもらって興奮してもらうのだ」


「だから、どうしてあなたが、ジンタとそんなことしなきゃいけないのよ!」

「愛してるからだ」

「え!? ちょっとジンタ! あんたエルフィナスとそんな関係なの?」

「いや……初対面なのだが……」

俺がそう言うと、ニジナは混乱しているようだ。


「ジンタ! 大丈夫か!」

そう言って部屋に飛び込んできたのはシュラであった。どうやらエルフィナスがドアをぶち壊した音を聞きつけて、駆けつけてくれたようだ。


しかし……この状況を見て、シュラは戸惑っている……

「ジンタ、ニジナ……お前たち……」

流石に状況を察したのか、ちょっと気まずそうにそう言う。


だけどシュラのそんな反応は最初だけで、すぐに裸のエルフィナスに興味を移した。

「この魅力的なねーちゃんは誰だ?」

その問いにはエルフィナスが自ら答えた。

「私はエルフィナスだ、ラミュシャ様に仕える巫女で、この召喚士を愛するものだ」


うむ……意味不明だが、どうやらこのエルフィナスって女は、俺に好意を抱いているようだ。ニジナのことを妹って言ってたけど……


「エルフィナス、どうかな……私といいことしないか」

ストレートにシュラがエルフィナスを口説き始めた……本当に見境のない奴だな……

「悪いが私はこの召喚士とエッチなことをしたいのだ、お主とはしない」

「童貞のジンタとやったって気持ちよくないよ、私なら天国に連れて行ってやれるぜ」

「天国? エデンハラのことか? それならお主の力を借りなくともいつでもいけるぞ、私の故郷の地じゃからな」

「だぁあーーー!!!!」

エルフィナスのセリフに割って入るようにニジナが奇声を上げる。そしてそのままエルフィナスを部屋の隅に連れて行って、何かゴソゴソ話し始めた。


姉妹の会話に聞き耳をたてるほど俺も無粋ではないので、二人を放置して俺は服をき始めた。


廊下でもザワザワし始めたので、流石に続きをやる雰囲気ではなさそうだ。俺は一時の気の迷いから目を覚ますと、ヒューマンの女などで大事な初を失わずに済んだと安心する。

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