第14話 ポイントはすぐ割り振る派
「よくやったぞ、ユキ。褒めてやる」
俺がそう言うと、彼女は少しは嬉しいのか微笑む。
クエストをクリアして、目的を達成した俺たちは、そのままその日は街に戻った。みんなはそのまま寮に帰ったが、俺はクエストの報告と、ジョブポイントを貰いに女神の祭壇へと足を運ぶ。
「よう女神。元気にしてたか」
「・・・・・私はいつも元気ですよ」
「おっ、今日はなんか素直だな」
「あなたと言い合いすると疲れるので、さっさと用事を済ませて帰って欲しいのです」
「なるほど。それは俺を褒めてるのだな」
「どこが褒めてるんですか。それより、早く用件を言いなさい」
「ふん。貴様は頼まれごとを達成してきた英雄を、そんな態度で迎えるのか」
「はいはい。ジョブクエストをクリアしたんですね。それじゃ、ジョブポイントを20ポイントあげます。好きなように割り振りなさい」
「・・・・もう少し、感動的な言い方はできんのか」
「あなたに対する私の感情は、無、です」
「くっ・・・嫌いって言われる方がマシなような感じがするな・・まあいい。ポイントの割り振りを言うぞ。悪魔系統に10、召喚時間に10だ」
俺は召喚できるモンスターを増やす為に、系統を増やすことにした。悪魔系を選んだのは、憧れのサキュバスがこの系統だからだ。
「はい。割り振りました。さっさと帰ってください」
「・・・・帰る前に一発やらせろエロ女神!」
俺がそう叫ぶと、ぶちっと干渉が唐突に切られた。なんと失礼なやつだ。まあいい。これで俺のランダム召喚の性能がアップした。さすがに10も降れば召喚時間もだいぶ伸びただろうから、ドリアードとエロいことができるはずだ。悪魔系統に降ったので、もしかしたらサキュバスが召喚できるようになったかもしれない。サキュバスなら俺の性欲を、遺憾無く発散させてくれるだろう。
寮に戻り、自分の部屋に戻ると、ユキがベッドの下に隠していた俺の秘蔵の書物をペラペラと見ていた。
「うおぉぉ! ユキ! 何見てんだ。それは見ちゃダメだぞ!」
「・・・・メスのモンスターしか載ってない・・なんか服着てないし・・どうして?」
困ったぞ。いくらモンスターでもユキは子供である。性の話をするのは早いだろう。なのでなんとか誤魔化す為に適当なことを言うことにした。
「実はな・・俺はメスのモンスターが怖いのだ。だからそれを見て恐怖を克服してるのだ」
「・・・それじゃ、どうして服を着てないの。マーメードとかも普段は薄い布とか着てるよね。これに乗っているのはおっぱい丸出しだよ」
「うむ。それはな。より、メスのモンスターを感じることで、自分を追い込んでいるのだ」
「そうなんだ・・ユキもメスのモンスターだけど・・怖い?」
「いや、ユキは子供だからな、全然怖くないぞ」
「服脱いだら怖くなるのかな、脱いでみようか?」
「脱がなくていい!」
俺はその書物をまとめると、ベットの奥に隠し直した。そしてもう見ちゃダメだとユキに言い聞かせた。
そのあと、勇者酒場で夕食を食べると部屋に戻り、俺は召喚を試してみることにした。ユキが見ているので、女モンスターが出てきてもエロいことができないけど、どうしても試したかったのだ。
スキルパネルを開いて、ランダム召喚スキルを使用しようとしたのだが・・・あれ? ランダム召喚スキルがなんかグレーに色が変わり選択できなくなってる・・どうしてだ・・これは困ったぞ・・
「どうした、ジンタ。困ってるの?」
「いや・・大丈夫だ」
まあ、明日、冒険者組合に行って聞いてみるか・・
そうと決まれば今日は早めに寝よう。ユキにベッドを取られてるので、俺は床に毛布を敷いて寝る。それを見て、ユキが声をかけてくる。
「ジンタ。床、硬くないか・・こっちで一緒に寝ればいいのに」
「俺は床の方が好きなんだ。気にしないでいいぞ」
もちろん強がりなのだが、なんか倫理的にそこで寝てはいけない気がするので床の硬さは我慢する。
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