食育だの「生きる事とは他の命を奪うこと」だのという、しちめんどうくさい前置きに続き、取って付けたように現れるエルフ娘に天狗面の男が振る舞うのは、ムカデ盛り合わせに蜘蛛の生食。まさに砂糖菓子に焼肉のたれをぶちまけるがごとき暴挙。
ジビエ料理と呼ぶには野趣に富み過ぎるマタギ食のフルコースにげんなりした頃、達磨男(男?)の登場により天狗面の男の過去が紐解かれる。時折見せる狂気めいた妄執の理由。過ちによって失われたもの。
おふざけに見えた前半から一貫して描かれ続けた「生きる為の食」という命題が、濃密な血と獣の匂いに包まれ、凄烈でいて荘厳な決着へと突き進む。
各人「おぅ……」というブラバ要素は無数にあろうが、最後まで読み終えた時には、確かな充足感があることだけは請け合い。
ベタベタに甘やかされて育ったエルフのヒロインが異世界の山に転生し、そこで出会った奇天烈な男(天狗)とサバイバルを学びながら暮らしていく。
これだけ聞いたら、流行の「読んで学べる異世界ファンタジー」に見えるかもしれません。
でも、この物語の本質は「生きるために食べる」「生きるために殺す」という、命の在り方です。
何かを食べなくては、そのために何かの命を奪わなくては、誰しも生きていけない。
その原則と、それに絡む悲しくも温かいストーリーが見事に織り交ざり、読みながら、泣きながら、食育を体験していきます。
軽い文体に、確かな読み応え。皆様もお楽しみください!
マタギというか、山暮らしができる現代人が、いったいどれだけいるのか。
もはや、現代人にとってレッドリスト入りされた絶滅危惧種にもよく似たマタギ生活をしてくださいと言われたら、5000兆円くれなきゃ、やりませんよ、わたしは。そう思うのは、きっとわたしだけじゃないはずです。
そんな超ハードモードのマタギ生活に、花よ蝶よと育てられたエルフの少女リィルが挑む。
リィルの成長を応援したくなる内容ではないですか!
しかし、読者という外側から、生きるために罠を仕掛けたり、キノコを採取したりする、彼女を見守っていると、たまに攻撃力高すぎる飯テロにダメージを受けますから、空腹時に読むことは避けましょう。
エルフの少女の成長物語であり、命をいただくこと大切さも教えてくれる食育物語。
もちろん、それだけではありません。
天狗のお面の謎のおっさんに、存在そのものが人間の脅威のヒグマなどなど、ワクワクするようなことばかり。
そもそも、なぜエルフが九州の山の中に?
ぜひ、読んで確かめてみてください。
中々時間が取れず、読めていないですがすごく勉強になります。
エルフ娘のワガママにカチンと来たり、共感出来ちゃったり、でもここまでは(ヾノヾノヾノヾノ・ω・`)ジェットストリームナイナーイとか思いながら、リアクションの問題だけだったり。
最初は天狗さんの言いたいことが見えなくて、わかってくると次は何を教えてくれるんだろうってワクワクする。
サバイバル自分も行けるような気がしてくるから怖い((;゚Д゚)ガクガクブルブル
……無理です。
ボスとの対峙の戦慄など。こっちまで緊張してくる描写にドキドキです。
薄いラノベより薄い調子で始まりながら、ドカンと心に訴えてくる作品。
期間内に読んで再編集致します((ヾ(・д・。)フリフリ
主人公は極限まで甘やかされて育った養殖エルフの女の子。
蝶よ花よと育てられ、何の苦労もなく生きてきた彼女ですが、
お約束の異世界転生をしてしまいます。
だがしかしっ!
彼女を待ち受けていたのは、自給自足の極限サバイバル生活。
チートどころか、今日食べるものさえもありません。
一時的に彼女を保護してくれた壮年の男(注意・天狗装備)も、
甘やかしてくれるどころか「養殖豚」などと暴言を吐く始末で……。
とにかく難易度EXTRA HARDのマタギ生活は前途多難です。
深い深い山の中で、食べ物を探さなくては生きていけないのですから。
そして自らが生きることは、つまり他者のいのちを奪うこと。
食べることの責任を、生きることの重さを、
思わず考えさせられる男性(注意・天狗装備)の言葉。
萌え萌えコメディタッチのあちらこちらで、
食育小説としてのこの作品の素晴らしさを垣間見ることが出来ます。
私はこの作品がいつか書籍化しましたら、
是非とも娘に読ませてあげたいなと思いました。
ふふ、色々と語ってしまいましたが、
どうかかるーい気持ちで読んでください。
普段何気なく生きている私たちのいのちが、
その裏側では決してかるくないものたちに支えられていることに、
きっと気付くことが出来ると思います!