能ある日向は爪隠す

第５部「能ある日向は体育祭で包囲される」

登場人物紹介

■主人公

♂　渡会日向（わたらいひなた）

春日野（かすがの）高校二年生。

並外れた身体能力と盗撮スキルを持ち、文化祭での危険な盗撮も成功に収めた。

続く体育祭では、さらに踏み込んだ盗撮を決意する。

■春日野高校女子

♀　一ノ瀬祐理（いちのせゆり）

日向と同じ施設で育ち、今は同居している幼なじみ。

日向の秘密を探ろうとするも上手くいかず、もやもやしている。

文化祭の後、施設長に相談するべく帰省する。

♀　東雲志乃（しののめしの）

日向の同級生で、図書室通いの本の虫。

祐理と同様、日向を好いているが、恋愛観は相容れない。

運動はからっきし。

♀　新井沙弥香（あらいさやか）

日向のクラスメイト。

優れたパルクール実践者（トレーサー）だがブラコン。

日向への嫌悪と猜疑は相変わらず継続中。

♀　春日春子（かすがはるこ）

日向の同級生で、理事長の娘にふさわしい風格と能力を持つ。

文化祭で日向扮する不審者と対峙するも、あっさりと負かされた。

盗撮にただならぬ憎悪があり、その炎は未だ衰えていない。

■春日野高校男子

♂　佐久間琢磨（さくまたくま）

日向のクラスメイト。

容姿、頭脳、運動、対人要領すべてを備えた完璧超人であり、他学年にも知られている。

文化祭では日向に踏み込み、祐理・志乃・沙弥香と同様、秘密を知る仲になった。

♂　成瀬誠司（なるせせいじ）

日向のクラスメイト。

琢磨に次ぐ運動能力の持ち主で、よく焼けた肌と筋骨隆々な身体を持つ。

沙弥香をいじっては殴られるのが恒例。

■児童養護施設『村上学校』

♂　三熊（みくま）・リー・京介（きょうすけ）

日向に次ぐ運動能力ナンバーツーの実力者。

恵まれた体格に違わぬ表情と態度を持ち、たいていの相手を萎縮させる。

祐理を好いているが、相手にされていない。

♀　鶴江（つるえ）える

真智と並んで祐理に次ぐ実力者女性トレーサー。

荒い京介とは対照的に、大和撫子らしい落ち着きを携える。

祐理並に発育が良い。

♀　宮野真智（みやのまち）

長い前髪で片目を覆い、淡白な口調と表情で喋る女子。

京介やえると親しい他、祐理のことを『姉さん』と呼んで慕う。

発育はよろしくない。

■表の大人たち

♂　新井新太（あらいあらた）

沙弥香の兄。

パルクールも身体能力も他の追従を許さず、芸能人レベルの知名度を持つ。

日向に強い興味と執着を持っており、体育祭にもやってくる。

♂　村上烈（むらかみれつ）

パパの愛称で親しまれる施設長。

日向をひいきにしているが、それ以上に心配もしている。

日向を見るべく体育祭に来る予定。

♂　春日一久（かすがかずひさ）

春子の父にして、春日野町の大地主『春日家』の現当主。

芸能界や政界さえ牛耳る権力を持つ傑物だが、常識や形式を嫌う自由人でもある。

自身が趣味で経営する春日野高校の理事長も務める。

♀　山下静香（やましたしずか）

春日野高校の司書。

美人で有名だが、生徒とは馴れ合わない。

唯一志乃とは仲が良く、その延長で日向にもフランクに接する。

■裏の大人たち

♂　佐藤（さとう）

天才的ハッカーにして悪魔的クラッカー。

日向とは技術協力をギブし、盗撮動画をテイクしてもらう仲。

日向が持ってきた文化祭の戦果を大絶賛し、存分に味わった。

♂　ジン

盗撮動画販売サイト『カミノメ』のオーナー。

日向のことを可愛がっている。

烈とは旧知の仲であり、日向の進路と教育を託されてるが、盗撮のことは伏せている。