あとがき

 このお話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。感謝いっぱいです。

 最後まで応援、コメント、レビューに励まされて何とかゴールにたどり着いた気分です。


 書いている間、ずっと、この話は地味ではないだろうかと心配していました。まず勢いでつけたタイトル=作品の顔が、地味だし。何しろ真夏に真冬を書いていたり、キャラも別段どこか尖ったところのある性格でもないし。

 ただ、書いていてはっきりしてきたのは、たとえ地味でもこの話は「成長」をテーマにしようということでした。

 いかがでしょう、凪と透は成長しましたか?


 わたしの思惑通り、透は段々精神的に大人になり、凪は最終的に図書館司書という自分に合ったしっかりとした仕事に就くことになりました。


 そして、成海。

 ご想像の通り(?)、成海はまさに降って湧いたキャラで、ある日わたしのところに現れて頭から離れなくなりました。彼のために2万文字以上、大切なパートを書き直しました。成海、大好きです。

 やっぱり嫌われキャラでしたか?わたしとしては透との書き分けが難しかったんですけど、エモーショナルで繊細な男の子、として書いたつもりです。

 彼も最終的には、凪との約束を守ったかのように、「もしものときには」彼が次は凪を守るという約束を守って、大人になりました。勝手な想像としては、どこか適当な私大にでも入ったのかなぁと思っております。


 さて、何やら人気の高かった人が一人。小田くんです。わたしも小田くんの出てくる回は書いていてとても楽で、するすると楽しく筆が滑ったんですけど、要するに小田くんは凪のこと以外は充実していて、もう大人なんですよね?そんなわけで小田くんにはもっとステキな彼女の訪れを期待しております。小田くんにしておけば?と思いましたが、透のストーリーでもありますし、凪には帰ってきてもらいました。


 神取さんのこと。

 間に出したいなぁと何回か思ったんですが、読者の皆様は顔も見たくないのかも……と思ってやめました。やってることは歪んでますが、横顔の美しい女の子だと思います。透のこと、すきだったんじゃないかなぁ?


 忍野くんのこと。

 完全にモブ化してしまい、申し訳ない……。とても善良であるが故に、人並みから外れない人だと思います。もうちょっと絡みがあってもよかったかも。忍野くんが凪に本気になるプランが、実はひとつの選択肢としてありました(笑)


 お母さんのこと。

 お母さんは一人娘の凪を心配していながら、そっと後ろから見守ってくれています。母親ってそういうものかな、と思います。が、透くんに対する評価は甘々ですね。透が年下でも、芯が通ってるところがお母さんのお気に入りだったのかと思います。


 設定に関して。

 ちっとも出てこない透の家族ですが、両親は教師、兄はT大学、弟の透は……?彼の家は放任主義です。やりたいことを持って、一定水準以上の大学に通うのであればすきにして良し。

 もし、結婚となると、凪の過去のことで揉めることもあるかもしれないけれど、ご理解のあるご両親ではないかと思っています。


 最後のエピソードについては自分の中でもずいぶん悩みました。何しろ凪は『綺麗なお姉さん』だったので、汚しても大丈夫かしら、と。でも、ただの『綺麗なお姉さん』ではなく、汚れている人間らしさを書こうと思いました。葛藤のない人間は、書いていて薄っぺらになるのではないかと。皆さんがどう感じたかは別にして、飛び降りるシーンは、ある意味、「再生」の象徴であり、そこへ持っていくまで嘘くささが出ないように実は相当、苦心しました。

 読み手によって、それぞれ解釈が違って物語はできていくと思っています。どうぞ、あなただけの「はつ恋」を。


 凪への批判が高まる中(笑)、女にだって忘れられない想いがあるのよ、と。そこを乗り越えてはじめて本当の意味で新しい恋にすべて移行できるのよ、と言いたい。わたしだけかもしれない(笑)


 ひとつひとつ手作業で積み上げるような文章を書いてきたつもりです。みなさんが、画面の緊迫感や季節感などを感じてくださっていたら幸いです。

 恋愛って難しいですよね?みなさんの恋愛が上手く行くように、お祈りしています。


 最後に、はじめから終わりまでつき合ってくださった読者の方々に心から感謝を。


 もしよかったら、どんなものでも構わないので感想をいただけるとうれしいです。一言でけっこうです。次回の参考にさせていただきます!


 2018年10月 月波 結

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「はつ恋」 月波結 @musubi-me

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