第53話
廃工場の奥。
少しだけ広さがある場所に。
虚ろな目で項垂れる
憤慨してモゾモゾと脱出しようとする
奥歯をギリギリ噛み締めながら周囲の人間を睨め上げるタカ、
ガムテープでぐるぐる巻きにされた3人が座らされていた。
3人の側には、彼らが持ち込んだ荷物なども全て置かれている。
「これから貴方たちを未来へ送り返します」
その周囲に、姉の
しかし──
こんな時でも締まらないのは、
時間跳躍の機械をこねくり回して、どう使うのかを悩んでいた。
後ろから、ヨロヨロとした足取りで
改めてまして、と
しかし、3人とも
焦点が合わない
「未来の私によろしくね」
ばずんっ
くぐもった破裂音がしたかと思うと、
予想だにしなかった音がして、全員が怯んで立ち
しかし、吹き飛んだ
「威力弱いね。もっと盛大に弾け飛ぶかと思って期待してたのに」
そう言いつつも、吹き飛ばされた
バランスを保てなくなった
「
幼馴染の言動の意味が分からず、
「あ、動かないでね。コイツの顔、吹き飛ばすよ?」
「全く……3人とも弱すぎ。最初に豪語してたアレはなんだったの?」
心底侮蔑した顔を、
「何言ってんだ! 俺にトドメ刺したのはお前じゃねぇか!」
激昂したのは
そう、彼の油断はそのせいだった。
味方がまさか自分にトドメを刺してくるとは思わなかったのだ。
「だって……あの状態だったらやるしかないじゃん。じゃないと私が疑われちゃうでしょ?」
呆れて反論する
一緒に戦ったクラスメイトが、まさか──
あまりの出来事に、
代わりに口を開いたのは
「よっちゃん……アンタまさか……」
「そう、私、こっち側なの」
そう言って、親指で捕まえられている3人を指し示す。
「いつから……?」
「最初から。
その姿は、先程まで控えめで大人しく、丁寧な物腰の少女とは全く別物のように思えた。
「まさか洗脳──」
あれと同じ事を、
「違うよ
優しげに微笑んでみせるその顔は、やはり今までの
「じゃあ……ずっと……演技してたってこと……か?」
たった14歳の少女が、自分の本性と目的を隠してずっと一緒にいたのだ。
大人でも見破れない演技をして。
「そう。先生ごめんね」
「そんなんどうでもいいだろ! 早くコレ解いてくれ!」
骨折箇所が響いて痛みに悶えるタカが
しかし、
「どうしよっかなぁー……」
その言葉に、タカの顔色が青ざめていく。
「お前まさかこのままに──」
「だって邪魔しそうなんだもん。ちょっとそこでそのまま見ててよ」
そう言って喚くタカを無視し、
「ねぇ
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