第24話
バタバタと慌ただしく、制服の男たちが居間と庭を行き来する。
そんな様子を、
齢70も超えた
むしろ毎日が短すぎると感じている。
なのに今日は──
その嵐が過ぎ去り、
迷彩服の男に押された肩と、転んで打ち付けた腰が痛い。
骨は無事だろうが、少し何かあっただけで異常をきたす身体を、
もう少し若ければ──なんて思いが一瞬よぎったが、すぐに打ち消した。
時間は巻き戻らないし、若さも取り戻せない。
出来るのは、老化を出来るだけ遅らせる事だけ。
その代わり、知識と経験が蓄積され知恵として発揮できるようになる。
年老いた。
その事実を突きつけられただけ。
そりゃそうサ。
まーちゃんやりっちゃんがあんなに大きくなったんだ。
私だってそりゃ歳もとるわ。
「失礼します。現場検証は終了しましたが……頼れる方はいらっしゃいますか?」
近所の交番に勤務する年若い警官が、思い
「……大丈夫だよ。心配ない。ありがとね」
そう言って、
砕け散った窓、足跡がベタベタついた畳に壊された机。
電子機器類が無事なのが不幸中の幸いか。
まぁ……センサーコードは切られたが。
あの時、痩せぎすの男に強がりで言い放ったが、これをキッカケに本当に無線式のセンサーにしようと決心した。
警察には、
詳しい事情は分からないが、
警察に相談しようかとも思ったが──
何か、言葉にはまだ出来ない何かが
おかしい。
何かがおかしい。
此の所、ずっと、何かがおかしい。
漠然と感じる、それは勘のようなものだった。
まるで──組まれる前の積まれたパズルのピースをパッと見て『あ、ダメだ。揃ってない』と直感的に感じるような──そんな、漠然としたもの。
不安というより──不快感に近い。
まだ上手くは説明出来ない。
揃ってないから。
だから、
まだ、頼れない。
もしかしたら、このまま頼れないかもしれない。
頼って解決する問題とは──思えなかった。
「りっちゃんに何かあったら──
小さく嘆息し、
別にそれでも
子供達はもう大人だ。
それぞれの生活がある。
元気に過ごしていてくれれば、それでいい。
なので、こんな気持ち──誰かを守らなければという強い使命感を感じるのは久々だった。
「出来ることから、まずやろうかね」
そう独りごちて、
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