第12話 広くて備品付きの新基地
そして週休の土曜日と日曜日。
俺は暇にあかせてのんびり新装備なんて考えたりした。
あの空間で使用出来るのは俺の体重くらいまでの装備だ。
その範囲で色々考えてみる。
スティンガー対空ミサイルは有効だろうかとか。
それより日本の91式携帯地対空誘導弾の方が優秀だろうとか。
でも100メートル以内の接近戦になったら意味ないなとか。
96式40mm自動擲弾銃あたりは最初の出現位置制圧に使えるかなとか。
結局、色々考えた割には実りの少ない週末だった。
でも充分休めたので問題無い。
敵の来襲も無かったし。
月曜日、今日は転送をお願いしてマンションへ出勤。
既にテーブルとか書類とか中隊長私物まであらかた荷造りが終わっていた。
これは中隊長と陽菜さんが休日出勤してやったのだろう。
元々正規の備品は元々少ない。
大変だったのは中隊長私物の方だろう。
折りたたみベッドや衣服類まである。
「それでは引っ越し作業を開始します」
陽菜さんの宣言のもと、まずは書類とか机代わりにしていたテーブルとかを運ぶ。
「ここで基地として使っていたものって、実は少ないよね」
「テーブル、電話、ファックス、パソコン、通信装置、転送装置程度でしたね」
なんて感じで。
「あれ、冷蔵庫と洗濯機はどうしたんだろう」
いつの間にか無くなっている。
「レンタル品でしたので、昨日中に業者に回収して貰いました。エアコンもです」
そういう事か。
取り敢えず転送装置含め、基地としての備品がワンボックス1台に。
中隊長私物を含めた雑多なものがもう1台に無事収まった。
残ったマンション内を掃除して。
完全に空になったところで。
「出発」
ワンボックス2台で出発だ。
1台目は俺が運転。
何せ行き先は勝手知った場所だから。
30分ちょっとで無事到着。
2台ともだ。
「あれ、中隊長の私物は」
「後で移動するので、取り敢えずそのままで願います」
という事で、取り敢えず駐車場にに2台入れてシャッター閉めて。
「取り敢えず転送装置だけは急いで下さい。2階の、駐車場真上の部屋です」
という事で急いで設置してと。
部屋内はある程度机とか椅子とかが残っている。
ミーティング出来そうな長机まであるし。
しかもかなり広い。
今までの何倍か、考えるのも面倒な程度に。
部屋も大部屋含めて4部屋ある。
「何かこのまま使用出来そうですね」
「費用削減のため、使える物は極力そのまま使う予定です。ですのでテーブルとかは別の部屋、1階に取り敢えず運びます」
そんな感じで。
お昼前には一通りのセットが終わった。
基地として移動する物品が少なかったおかげもある。
「さて、お昼はどうしましょうか。この近くはコンビニとスーパー、あとは出前くらいですね」
「引っ越し祝いに出前くらい取ろう。最初だから全部私持ちでいい」
中隊長が太っ腹なことを言う。
「いいんですか」
「新しい場所になっても宜しくと言う事だ。そんな訳で陽菜、どうせ下調べしているんだろ。任せた」
「了解です」
陽菜さんは自分のスマホを取りだして操作する。
結果。
30分後、大きな桶に入った寿司とピザMサイズ3枚が届いた。
ちょっと多めだなと思うが、皆若いしそんなものだろう。
食べながら陽菜さんは午後からの予定を説明する。
「午後からは私と中隊長でちょっと出かけてきます。3人は部屋の配置の変更等をお願いします。緊急の場合は文月さん、転送装置を使って呼び戻してください」
「了解です」
文月はオペーレーター用機器もある程度使える。
というかこの人、武器だろうが何だろうが機械類も魔法道具類も何でも使える。
だからこの人選は正しいだろう。
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