374.準備:多重刻印の作製_後

お待たせしました<(_ _)>

後編になります。


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「……あー、もう。全然作製できる気がしない!」


 試し撃ちを終えて工房へと戻ってきた。

 ユキは先にログアウトしたらしく、今日はもういない。

 そういう状態なので、俺はひたすら刻印装備を作っている訳なのだが。


「刻印装備を作るのに、一個目の刻印の時点でいくつか消し飛ぶのが痛い……」


 今回の依頼は、白狼さんから『ライブラリ』に対する正式な依頼、ということで受注している。

 なので、各種パーツは大量に準備してもらえているわけだが。


「銃を組み立てる前段階でゴリゴリパーツが減っていく仕様……精神的にきつすぎる」


 そして、そんなパーツへの刻印作業を終えての銃作製。

 ここでもひたすらに失敗が続いた。

 十回ほど失敗が続いたのち、ようやく一個成功した。

 リアルラックのなさも影響しているのだろうが、この成功率は本当にいただけない。


「……とりあえず一回目だけど成功はした。銃の試し撃ちにいくか……」


 完成した三重刻印の銃を持って訓練場に移動する。

 訓練場に着いたら的に向かってスキルを使うのだが……。


「……なんだこのダメージ倍率。跳ね上がり方がアホじゃないかな?」


 何回かスキルを使ってみて平均ダメージを計算した結果、刻印使用時のダメージは14倍近くまで跳ね上がっていた。

 刻印二個での倍率が5.5倍前後だったから、さらに二倍以上に跳ね上がったわけだ。


「さすがにぶっ壊れ武器すぎるだろう。それに見合ったデメリットはあるけど」


 デメリットとしては、まず第一に反動が強すぎることだ。

 立って撃ったりしゃがんで撃ったりすると、確実に後ろに倒れ込んでしまう。

 伏せ撃ちならなんとか問題ない状況にできるが、非常に狙いにくい。

 これはバイポッドでも作ってつけてやる必要があるかな?

 物理的にくっつけるだけなら大丈夫なはずだし。


 デメリットふたつ目は、耐久力の消費率だ。

 刻印三個で効果を発動すると、一回使うだけで最大耐久値の六割を消費していた。

 つまり、二回使えば確実に耐久値がゼロになるわけで……。

 実質的には、一回の戦闘で一回しか使えないのと同じだ。


「威力はバカ高いけど、それに見合ったデメリットもあると。まあ、おかしな話ではないよな」


 問題は、おそらく今の状態でも攻撃力が足りないという事である。

 もっと攻撃力を上げるためには、刻印四つを目指さなくちゃいないんだけど、さすがに気が遠くなりそうだ。

 なにはともあれ、今日のところはここまでにしておこう。

 さすがに、もう夜遅いしな。



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お待たせした上に申し訳ないのですが、来週の更新は微妙そう……

頑張って更新できるようにしますが、無理だったらごめんなさい

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