第20話 お清め(下) 


 いつものようにニーニャと唇を合わせたあと、彼女の服を全て脱がせ、うつ伏せにした。


「お清め」しやすいように、カンテラの灯りを再び点けている。


 俺は、まず背中から始めた。

 ニーニャの優美な背中の曲線を、そっと手で撫でながら口をつけていく。

 急がず、ゆっくり口唇で肌に触れる。

 お清め残しがないように、隅から隅までゆっくりとだ。


 ニーニャは、ある場所に唇が触れると、ぴくっとしたり、「ああっ」や、「うんっ」といった声を漏らした。俺は、それを頭の中で開いたニーニャ=ノートにつけておく。反応があるところは、特に念入りに唇をはわせた。


 お尻にも隈なく唇をつける。場所によっては、小さく「イヤ」と声がする。そういう箇所は、ノートに特別な記号をつけておいた。


 次にすらりと伸びた手に唇で触れていく。肩から始め、二の腕、肘、手首と下りていく。ほっそりした指に唇が触れると、ニーニャが、ピクピクと震えた。すべての指に口をつけ終えるまでに、そういうことが何度も繰りかえされた。


 そして、足に唇をつける。

 柔らかい大腿部から引きしまったふくらはぎまで、隈なくたどる。以前、俺が惹きつけられた膝の裏も丁寧に清める。

 足首から下に触れると、手の指でそうだったように、ニーニャは何度も体を震わせた。 


 体を上向きにさせる。

 俺はニーニャが特に感じた手足の部位を再び唇でついばむ。彼女のピクピクが強くなっていく。

 

 次は体へ移る。おへその周りから初め、円を描くようについばんでいく。鎖骨や、喉元も丁寧に唇で撫でていく。形のよい小さな乳房も、根元から円を描くようについばむ。


 胸の小さな先端にそっと触れると、今までで一番大きなピクピクがあった。すかさず、ニーニャ=ノートに記録する。


 最後に、唇にキスをする。ピクピクしながら大きく体を反らしたあと、ニーニャは俺の耳元で、まだ触れていない場所をささやいた。

 そこに息を吹きかけただけで、彼女の身体は弓なりに反った。

 ………

 ……

 …

 ニーニャの望みを全て叶えると、動かなくなった彼女の横で、いつの間にか俺も眠りに落ちていた。

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