ふたたびKAC雑感、みたいな

 2020年、今年もカクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ(以下、KAC2020)が開催されました。今年は、「カクヨム誕生祭2020」のイベントのひとつとして、2/29~3/9までの10日間行われました。

 カクヨム以外のユーザーに簡単にKACの説明をすると、まず、一日おきに5回、お題が出され、ユーザーはお題に沿った作品を公開します。一作品1400~4000文字と言う制限があります。今回のお題は「四年に一度」「最高のお祭り」「Uターン」「拡散する種」「どんでん返し」でした。

 お題ごとにもっともPVの多かった「読者賞」、もっとも早く投稿された「速筆賞」があり、それぞれ1万リワードが与えられます。また、お題発表から一週間でもっとも多くのレビューを獲得した作品には「レビュー賞」として図書カードが、最初と最後のお題に対して運営が選ぶ「カクヨム作品賞」(1万リワード)、「カクヨムレビュー賞」(図書カード)、すべてのお題に応募した作者に「皆勤賞」(300リワード)、その中でもっとも多くのPVを集めた作品に「ベスト皆勤賞」(5万リワード)が与えられます。


 ユーザーとしては、リワード獲得のチャンスです。運営側としては、作品数が増える(=PVも増える)というメリットがあります。1400~4000文字という設定が、なんというかね、リワードを増やさずPVを増やそうという意図が見えなくもないという微妙なラインですね。いろいろな方の考察で、リワードとして反映される文字数のラインが5000文字と推定されていますから、それには少し足りないわけで。


 また、前回(KAC雑感、みたいな https://kakuyomu.jp/works/1177354054886242461/episodes/1177354054889217879)でも書きましたが、このイベントは“すでに多くのフォロアー(読者)”がいるユーザーが断然有利です。というか、フォロアーがいなければどうにもならないわけです。私も全部の回に参加しましたが、各エピソードごとのPVは10以下ですよ。とほほ。


 そして、先日発表された結果を見ても、フォロアーが多い人が入賞しています。これはPVというもの差しで決める以上仕方のないことかもしれませんが、その影響を少しでも減らす努力を運営がやっていないことが腹立つわけです。たとえば、KACの開催中トップページに参加作品が表示されるのですが、これがPVの多い順なんですよ。せめてランダムにするとかね、やりようはあるはずなんです。もっと大胆なこと言ったら、PVをアクティブフォロアー数で割った結果だっていいでしょう? フォロアーの少ない私のようなユーザーは不満が溜まるばかりです。


 苦肉の策として、運営が打ち出した施策が「殿堂入り」です。これは、「通算10回の受賞を達成したユーザー(※皆勤賞を除く)」「「ベスト皆勤賞」を2回受賞したユーザー」を選考対象から除くというものです。殿堂入りは殿堂入りで別枠を設けるそうですが……泥縄というか、対処療法でしかない気がします。


 運営は、おそらく今後もリワードを報償としたイベントを開催するでしょうね。実際にコストもあまりかからず効果が上がりますから。でも、リワードって一種の“毒”といういか“麻薬”というか。一回始めたら止められないし、それを求めてしまう。入手できなければ不満ばかり募るし、格差も出てくると。


 ユーザーが求めているのは、公平性でしょう。次のイベントは、もう少しその辺を汲み取った設計にして欲しいと思います。


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