体育祭 お昼休み 中編

「初めまして、私は係君の姉の瀬羽 凛といいます。いつも係君がお世話になっております 」


 凛姉が外用の猫をかぶって挨拶をする。


「別に私こそお世話になってる…です 」


 歩美が必死に敬語にしようと頑張っている。


「いえ、私達の方こそお世話になっています 」


 日奈子先輩が敬語を使うのも新鮮でいい。


「私は瀬羽優香といいます。先程は申し訳ありませんでした 」


 流石にご飯の席でバチバチする気はないようだ。

 大事にすべき事はしっかりする所は優香のいい所だと思う。


「それで僕は、って僕はいいか。あの自己紹介頼める? 」


 次は歩美達を紹介する番だ。


「私は水森歩美、係と同じクラス…です 」

「ふふっ、別に話しやすいように話していいのよ 」

「どうも 」


 珍しい歩美は緊張しているようだ。


「私は杉原恵といいます。係君と同じクラスで委員長をさせて貰ってます 」


 恵はこういうのは慣れているようで自然体。


「私は東堂日奈子といいます。係君と同じ部活に所属しております 」


 日奈子先輩は綺麗な姿勢でとても気品がある。


「ぼ、僕は速水桜です。その、こいつ。あっ、いや係さんとはえっと 」


 桜がオロオロしている。

 僕の家族にいつもの調子では言い難いようだ。


 仕方ない助け舟を出してやるか。


「友達だよ 」

「そうです、友達です 」

「へぇー、好きだって言ってた気がしますが 」


 優香がジト目で桜を見る。


「ごめんね、借り物競争の時から見てたからあなた達のこと少し知ってたのよ。仲の良さとかね 」


 桜は顔を真っ赤にしている。


「あれは違くて、いや嫌いって訳でもないんですけど、その、あの 」

「優香そのぐらいにしときな 」

「ごめんなさい速水さん。ちょっとからかっただけです 」


 桜はさらに顔を赤くして恥ずかしそうにした。


 やはり、いじられキャラがほかに居るのはいいな。


「そうだ係君。飲み物買ってきてくれない? 」

「水筒あるけど 」

「私達のがないのよ 」


 まあ、そういう事なら買ってくるか。


 でも、僕がいなくなって大丈夫かな。

 凛姉達と歩美達は初対面なわけだし。


「そんなに心配しなくてもとって食べはしないわよ 」

「そこまで思ってるわけじゃないけど…。大事な友達だからよろしく頼むよ 」


 まあ、みんな優しいし大丈夫か。


係が居なくなったあと修羅場と化すのだった……なんてね。

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