宣戦布告

 体育祭も残りわずかに迫り、僕は日課となっている2人3脚の練習にきていた。


「ほら、歩美、はじめるよ 」

「今日は、体育があったから疲れたわ 」

「そうだけど、僕らまだ全然進めないじゃないか。頑張ろうよ 」

「今日の活動限界に達したから動く事は無理よ 」

「活動限界ってなに 」

「まあ、車のガソリンみたいな感じね 」

「どうやったら、回復するの 」

「寝るとか? 」

「なぜ疑問形 」

「いや、寝るのも疲れるって言うじゃない 」

「じゃあ、たまに僕の背中の上で寝るのは止めてもらおう 」

「そんな殺生な 」

「なんでだよ 」

「私そんな事言われたら生きていけないわ 」

「僕の背中に寝る事は生死にに関わるのか 」

「ええ、もちんよ。あったかい背中でぐっすりねる!こんな楽しいことがほかにあるか 」

「の○太君か 」

「まさか、あんなバカと一緒にしないで 」

「バカとかいったらダメだろ 」

「てへぺろ 」

「可愛いくしてもダメだ。てか、話が逸れた。練習するよ 」

「ちっ 」

「おい、今舌打ちしたよね。聞こえたからね 」


 そんなこんなで何もせずすでに10分経過していた。

 なぜかうちのクラスやる気満々だから、下手なの見せられないんだよな。


「おい、瀬羽係 」


 後ろから放たれた声の主を見るとそのには桜と桜の方を見て目をキラキラさせる女子生徒がいた。


「どうしたの、桜 」

「歩美をかけて勝負だ 」


 人差し指をこちらに向けかっこよく言い放つ。

 相変わらず隣にいる女子生徒はうっとりと、桜を見つめている。


「歩美、空が青いなー 」

「ええ、綺麗な青空ね 」

「無視をするな 」


 なんかどこかの部長を思い出すな。


「で、雲がどうしたって? 」

「そうそう、昨日、綺麗な雲を、って、違うそんな話していない 」

「おお、見事なのりつっこみ 」

「たしかに、流石ね 」

「歩美まで、うう、ええい、とにかく体育祭の2人3脚で勝った方が歩美の世話をするそれでどうだ 」


 僕としては今すぐでも変わってくれていいのだけど、そんなの言ったらまためんどくさいやり取りが始まるよな。


「今、変わって欲しいとか思ったでしょ

 歩美が腕をつねってくる。


「痛い痛い、そんなわけないだろ 」

「ふんっ 」

「怒るなって 」

「僕をおいてイチャイチャするなー! 」


 やっぱり王子様ってキャラには見えない…。


「わかった、で漫画がなんだって 」

「そうそう、最近、はまっている漫画が…、じゃない。もう! 」

「わかった、で2人3脚で勝負ってどういう 」

「そう、それだよ。こほんっ僕とこの子で2人3脚に出るんだ。もちろん君達と一緒に走るようにちょっと仕組んだ 」

「その子って、2人3脚は男子混合じゃなかったっけ。後、仕組むとかどんだけだよ 」

「僕が男の子役さ 」


そんな自由が許されるのかこの高校は。


「それじゃあ勝負だぞ 」


 このまま練習せずにしたら 確実に負ける。

 そしたら今の状態を変わってくれると桜は言った。


 ならば、このまま練習せずに負けるのもありなのでは…。


「わざと、負けたり、練習せずに望んだら、この勝負は無効だからな 」

「ちっ 」

「あっ、今舌打ちしただろ 」

「まさか 」

「はぁ、まあいい。そういう事だから、体育祭を楽しみにしいるぞ。はっはっはっはっは 」


 あいつは、普通に去ることが出来ないのか。


「練習始めるわよ 」

「どういう風の吹き回しだ 」

「何を言っているの、大事な体育祭にいい結果を残したいと思うのは当然の事よ 」

「どの口が言う 」

「この世界一可愛い口よ 」

「いつの間に世界一になったんだよ 」


 歩美を見ると珍しくやる気がでている気がする。


「いっぱい喋って疲れたらから休憩からね 」


気のせいでした。


「やれやれ 」

「さあ、やるわよ 」

「まあいいけど 」


 神様お願いします、体育祭は何事もなく平和に終わりますように。僕は密かに合掌する。


 この願いが聞き届けられなかったのは言うまでもない。

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