耳
学校帰りに
知らないおじさんに声を掛けられ
ついて行った路地裏で
地図をもらった
(耳の形に似てるな)
そう思ったら
それはぼくの右耳だった
ぼくは急いでそれを元の場所に差し込んだ
数回まわすと収まった
そうしたらプルルルルって耳が逆回転し始めた
ぜんまい仕掛けだった
ぼくの耳はぜんまいだったのだ
もう駄目だ
自分が理解、出来る範囲を遥かに越えている
これ以上、訳が分からないことが起こったら
自分でも自分が何をするかわからない
おじさんは突如、言った
「わたしはゲイでね、下校中に独りのきみと会えるタイミングをずっと待っていたんだよ」
ぼくはおじさんの股間に蹴りを入れた
「もっとおー! もっとおー!」
と
おじさんは女々しく甲高い声をあげぼくに自分の尻を突き出した
ぼくは走って逃げた
何処へ?
取り敢えず耳を外してその図形に沿ってみる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます