第79話「知らぬうちに進む改革案」
地竜の埋葬を終えて、行きと同じく最短ルートでラクサ村に帰還した私と子供地竜と兵士達。同じ道だったのと、行きと違って兵士達の士気がダダ上がりだったために2日もかからず帰れた。
地竜の村を出てすぐに木の上を移動していたのだが、今度は止められなかった。それどころか必死に食らいついて追いかけてきた。兵士達の体力面も考えて休憩多めに挟んで正解だったよ。まぁ彼らにとってはいい体力作りになったんじゃない?
あの村は地竜の墓場としてそっとしておくことに。普通ならまず見つけられない場所なので誰かに荒らされたりする心配はないとのこと。
ただ地竜壊滅の原因にもなった巨大生物はあの辺境でも変わらず出没するので見廻りする必要があるとも言っていた。
でも数日がかりで往復するのはそれなりの人数を揃えなくてはならず、その分他の村の警備が手薄になるのでどうしたものかとアレンが頭を悩ませていたので、巨大生物が墓場に近づけないように罠を仕掛けようかと提案したら暫し唸った後許可された。
ここまでの険しい道を整備するのと墓場を守るための対巨大生物用の罠の仕掛け、やることが増えたけど子供地竜のためにも最後まで全うせねば。
あ、罠を仕掛けるだけだと若干不安が残るから墓場をぐるっと囲む壁とか作った方がいいかな。でも材料がないから無理か……いや待てよ。塀の外に深い堀を作れば、塀の強度が多少心許なくても問題ないんじゃないか?
うん、それでいいだろう。材料が集まったら頑丈な塀を作ればいい。それまでの辛抱だ。
それだけじゃない。ラクサ村から地竜の墓場までの道のりをただ整備するだけじゃあ子供地竜が墓参りしたときとか道中巨大生物に襲われる可能性もある。安全な道を作らねば。
あとついでにラクサ村からハルバ村までの一本道もより安全にしようか。チェルシーをはじめ、村の皆がよく行き来するからね。色々と世話してくれた人達に何かあったら後味悪いって。
そういやハルバ村にもラクサ村にも防壁がないな。だからちょいちょい巨大生物が村に侵入しちゃうのか。
よし、この際まとめて両方の村の守備を強化しよう。
どうせ自分も行き来するし、主にチェルシーやクリスが頻繁に遊びに行ってるからね。安全な方がいいに決まってる。
幸いにも私が起きていられる時間は順調に延びている。15時間睡眠の怠け者から、ちょっと寝すぎなぐうたら娘まで進化したのだ。何が変わってんの?と疑問に思うだろうが、5時間以上削ってるんだよこれでも。それでもまだ睡眠時間長いからね。普通で考えたら。
ハイペースで進めたら数ヶ月で一通りのことはできる。
まずは墓場周辺の罠設置と塀と堀の作成、そこまでの道のりの整備と安全強化が最優先かな。
次にラクサ村に防壁と堀を作って、ハルバ村までの一本道も安全強化、その次にハルバ村の防壁と堀を作る、と。
……自分でやること増やしてる気がするけど気にしない。
さて、久々に忙しくなりそうだ。
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