第173話 御きつね様? (25)

 するとさ、家のカミさんは「えっ?」と、だけ答えたよ。


 刹那──


 だって直ぐに俺達二人に魔法弾が飛んできたから『ドカン! ドカン!』とね。


 だから俺は直ぐに家のカミさんをお姫様抱っこしたまま……。


「ちょ、ちょい! 玉藻前ちゃん! 攻撃を止めて! このままだと俺にも当たるし! 君もフレイヤも怪我をするから……もう止めようよ……」


 それでもね、玉藻前彼女は俺の申し出を受けてくれない。


〈ドカン! ドカン! ドカン!〉


 と、容赦なく……問答無用で、今度はフレイヤを抱いている俺まで攻撃をした。


「ううう……許すものか、そのフレイヤを……妾のこの美しい顔に傷をつけたのだから……それにお主もそのフレイヤを守るようなら、一緒に葬ってくれようぞ!」


 先程とは違って玉藻前ちゃん、俺に甘い声と優しい笑みを浮かべるのではなくて……とても低く重い口調で述べてきたよ。

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